紫紘の袋帯「梅」の帯合わせ

第三千九百三十三回目は、紫紘の袋帯「梅」の帯合わせです。

今日は作家モノの絵羽の着物を合わせてみました。シンプルで洗練された帯ですが、そのような帯は豪華に見えないということもあります。今回の帯は、すごく高い作家モノの着物に合わせるにしては豪華さが足りないでしょうか。今日はその辺を試してみます。

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いちばん上の写真は、森口華弘の訪問着を合わせてみました。梅に梅を合わせることになってしまったところがちょっと残念ですが、洗練でも存在感でも負けていないのでは。

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写真2番目は、羽田登喜男の訪問着を合わせてみました。美展に出品された鴛鴦24羽という本格的な作品ですが(美展価格780万円でした)、パートナーとして遜色ないですね。

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写真3番目は、加賀友禅作家、木村雨山の黒留袖を合わせてみました。本来は蜀江錦みたいな帯を合わせたいところですが、これもあり得る組み合わせだと思います。

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写真4番目は、加賀友禅作家、能川光陽の訪問着を合わせてみました。友禅界には雅号に「光」がある作家が多いですが、自分は琳派という意識があるんでしょうね。この人のばあいは、若い時に友禅の師匠とは別に、やはり「光」の字を持つ琳派系の日本画家に師事していたそうです。

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写真5番目は、加賀友禅作家、毎田仁郎の色留袖「伊勢路」を合わせてみました。これはタイトルから鳥羽の二見ヶ浦とわかります。しかし加賀友禅で夫婦岩を描いたものには、能登二見もありますね。能登二見は機具岩(はたごいわ)と言って、大きい方が女だそうです。

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写真6番目は、加賀友禅作家、毎田仁郎の色留袖を合わせてみました。宗達および光琳の「松島図」に取材したと思われる作品。松島図と思われる絵を霞取りにして、その取り方どうしが有機的につながるように千鳥を飛ばしています。本歌には千鳥はいませんよね。

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写真7番目は、加賀友禅作家、中町博志の訪問着を合わせてみました。中町博志が注目されたとき、加賀友禅なのにモダンと思われていましたから、モダンな雰囲気の帯が合いますね。
[ 2017/11/19 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

紫紘の袋帯「梅」の帯合わせ

第三千九百三十二回目は、紫紘の袋帯「梅」の帯合わせです。

今日は付下げを合わせてみました。この帯が持っている洗練された雰囲気を壊さないという条件で選んでみました。合わせる相手は、倉部さんとか安田とか、一の橋とか花也とかっていうことになりますね。

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いちばん上の写真は、花也の付下げ「雪輪取りサンテチエンヌリボン」合わせてみました。サンテチエンヌというのはフランスの内陸部の都市で、リボンの産地として知られています。そのリボンの意匠に取材しています。どんなものかと検索してみると、犬のリードを売っているサイトがありました。

雪輪取りにしていますので、梅の時期につなげれば冬から早春で、お正月から気持ち良く着られると思います。

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写真2番目は、花也の付下げ「サンテチエンヌリボン」合わせてみました。サンテチエンヌリボンシリーズの第1作で、実際のリボンのように見せています。着物の意匠としてはこのような模様配置は、能の衣装の鬘帯に見立てて桂帯と言ったりしますね。紐状のモチーフは、伸ばしたり縮めたり丸めたり自由なので着物の意匠としてとても便利です。お客さまの予算に応じて何回転でもしちゃいますし、少なければ最短距離にしちゃいますから。

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写真3番目は、花也の付下げ「和本」合わせてみました。梅→天神さま→学問の神さま→本、とつなげてみました。理屈を考えて合わせるのも帯合わせの遊びですし、上手くできると気持ちが良いです。

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写真4番目は、一の橋の付下げ「花兎」を合わせてみました。実際に制作したのは安田さんです。梅と兎は直接関係ないですが、洗練と言えば安田、ということでぴったり合ってますよね。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げ「波に兎(竹生島)」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。もう1人、洗練と言えば倉部さんですよね。波と兎の組み合わせは、謡曲「竹生島」に由来します。船で竹生島に渡るときの情景で、月光に照らされた波頭が、兎が奔るように見えるというところです。竹生島って、普通ではなかなか行く機会は無いですが、行ってみたいと思いませんか。

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写真6番目は、一の橋の付下げ「切霞割付け暈し」を合わせてみました。霞をテーマにしたもので、本来ならグラデーションだけで表現すべき霞を、細密な糊糸目友禅、シャープな縁蓋、ぼかしのグラデーションの3者で表現しています。洗練というテーマであれば、これが代表かなということで。
[ 2017/11/18 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

紫紘の袋帯「梅」の細部

第三千九百三十一回目は、紫紘の袋帯「梅」の細部です。

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いちばん上の写真は、白い絹糸の梅と撚銀糸の梅です。シンプルに見えてじつは光る梅と光らない梅というバリエーションがあるのです。

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写真2番目は白い梅の縁部分の拡大です。地の部分が平銀糸(完全な銀糸ではなく和紙に銀を撒いている)で平面的であるのに対し、梅の花は絵緯糸で盛り上がる表現にしています。

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写真3番目は、銀の梅の縁部分の拡大です。地の部分が平銀糸で平面的であるのに対し、梅の花は撚銀糸という糸の形状の違いで立体性を表現していることになります。

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写真4番目は、梅の花の花芯部分の拡大です。

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写真5番目は梅の枝の先端の近接です。花ほど立体性のない表現です。

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写真6番目は梅の枝の先端のさらに近接です。地が平銀糸と白い絹糸の組み合わせであるのに対し、枝は平金糸と緑色の絹糸の組み合わせであることがわかります。
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写真7番目は梅の枝の拡大です。平金糸と緑色の絹糸の組み合わせることで光沢のある緑を演出していることが分かります。意匠はシンプルでも技術はシンプルではないですね。
[ 2017/11/17 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

紫紘の袋帯「梅」

第三千九百三十回目は、紫紘の袋帯「梅」を紹介します。

洗練された雰囲気の作品です。モダンでシンプルということは誰でも感じると思うのですが、その背景に琳派が透けて見えるところが、この作品の存在の意味だと思います。

このようなデザインは、外部の図案家ではなく野中さんのお姉さんがやっているということです。とてもセンスの良い方のようで、最近注目しています。いきなり「野中さんのお姉さん」と言われてもわからない、という方はfacebookを見てください。私も本人にお会いしたことは無くfacebookでしか知りません。

このシリーズには、枝垂桜、松、楓、菊があります。機会があるごとに紹介しようと思いますが、facebookで探してみることもできます。

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いちばん上の写真はお太鼓です。

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写真2番目は、お太鼓の近接です。

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写真3番目は、お太鼓の近接です。

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写真4番目腹文です。腹文は枝無しの花だけです。

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写真5番目は、腹文の近接です。シンプルなのに存在感があるのは立体性のある表現だからです。その辺は明日、細部をお見せします。
[ 2017/11/16 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

龍村の袋帯「異邦しま文」の帯合わせ

第三千九百二十九回目は、龍村の袋帯「異邦しま文」の帯合わせです。

今日も絵羽の着物に合わせてみます。絵羽というテーマで3日も続けるのは心苦しいのですが、気に入った帯合わせがあるので、今日だけ続けさせていただきます。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の訪問着「取り方春の花」を合わせてみました。実際に制作したのは、中井淳夫さんです。取り方の中は、梅~杜若までの春の花が糸目友禅で描かれ、取り方の外は秋の女郎花がダンマルで描かれています。段文の帯と横方向の取り方をシンクロさせてみました。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の訪問着「市女傘」を合わせてみました。実際に制作したのは、中井淳夫さんです。江戸時代の小袖にある模様ですが、その模様を小付けにして現代の訪問着の形式にアレンジしています。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の訪問着「蔦に柴垣」を合わせてみました。元絵は神坂雪佳で、実際に制作したのは、中井淳夫さんです。神坂雪佳の下絵集にあるものを訪問着にしています。白地に金彩と墨色の濃淡のみの色の無い作品ですが、その世界を打ち壊すように赤と青の帯を合わせてみました。中井の世界観だって尊敬するばかりでなく、たまには壊してやるのも良いですよね。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の訪問着「取り方暈し金格子」を合わせてみました。実際に制作したのは、中井淳夫さんです。金彩の格子が交わるところに、本金の刺繍が付いていてキラッと光ります。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の訪問着「取り方椿」を合わせてみました。実際に制作したのは、中井淳夫さんです。とてもかっこいい着物ですが、こういうのを着るときは、着る人も勝負する気持ちでないといけないように思います。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の訪問着「神坂雪佳・白川女」を合わせてみました。実際に制作したのは、中井淳夫さんです。人物については神坂雪佳が描いた絵をそのまま写しています。このような絵は、元絵に敬意を表してか中井さんは意外にいじらないですね。
[ 2017/11/15 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)