一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせ

第三千八百九回目は、一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせです。

今日は染め帯を合わせてみました。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の染めの名古屋帯「色紙重ね」を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんです。

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写真2番目は、花也の染めの名古屋帯「硯に羊歯文」を合わせてみました。糊糸目の線描きを多用して羊歯文を描いています。硯に羊歯文が描いてあるとも言えますし、硯を取り方にして羊歯文を描いてあるとも言えますね。

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写真3番目は、一の橋の染めの名古屋帯「くす玉」を合わせてみました。

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写真4番目は、花也の染めの名古屋帯「琳派流水文」を合わせてみました。霞の中に波があり、その中に色紙があり、その中に琳派の流れの風景があるという全体が入れ子構造になった意匠です。流水には楓も散っていますが、その流れが着物全体に広がっていくような帯合わせにしてみました。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の染めの名古屋帯「斜線に玉」を合わせてみました。実際に制作したのは中井亮さんです。

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写真6番目は、一の橋の染めの名古屋帯「毘沙門亀甲文」を合わせてみました。「毘沙門亀甲」というのは、毘沙門天が着ている鎧のパターンです。
[ 2017/07/17 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせ

第三千八百八回目は、一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせです。

今日は自由に帯合わせをしてみました。

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いちばん上の写真は、織悦の袋帯「光琳水」を合わせてみました。紅葉だけの意匠の着物に、水の意匠の帯を合わせれば、2つ合わせて「龍田川」が出来上がります。そうなれば見事ですが、このばあいはすでに着物に波があるので、水が重なってしまいます。実際に合わせたところを見れば、重なると言っても、しょせんは水だからか、しつこい感じはないですね。

なおこの帯の水は、MOA美術館にある「紅白梅図」の流水部分です。梅の着物と合わせれば紅白梅図がつくれますし、桜と合わせれば「桜と流水がつくれますし、菖蒲と合わせれば「八橋図」、紅葉と合わせれば「龍田川」と便利な帯です。

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写真2番目は、龍村の袋帯「海音光映錦」を合わせてみました。やはり波を合わせた例ですが、紅葉と合わせる波にしては、激しすぎるでしょうか。

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写真3番目は、龍村の袋帯「波兎遊跳文」を合わせてみました。波と兎を合わせたモチーフは江戸時代から多くあります。元は謡曲「竹生島」で、勅使たちが竹生島に上陸する直前、島の周囲の景色を描写するのですが、月に照らされた波が兎が奔るように見える、というところです。

ここでは、「龍田川」と「波兎」ということで、水に関する2つのテーマが並んでいることになります。波を共通項として馴染んでいるとみるか、2つの違う組み合わせが混じってしまっているとみるか、どちらでしょうか。
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写真4番目は、龍村の袋帯「錦秀遺芳文」を合わせてみました。反っくり返った鹿は、平家納経のうち俵屋宗達が修復した部分です。平家納経と言えば安芸の宮島、宮島と言えば紅葉饅頭ですよね。反っくり返った鹿から平家納経に気付いた人だけは、意味的なつながりに気付ける帯合わせです。

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写真5番目は、喜多川俵二の名古屋帯を合わせてみました。この帯の意匠も平家納経に取材したものです。厳島神社を通して紅葉と意味的につながっています。

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写真6番目は、喜多川俵二の名古屋帯「鳥襷丸文」を合わせてみました。「鳥襷丸文」は王朝時代に由来する有職文様の1つです。有職故実というのは鎌倉時代にまとめられてということです。体系化されて完成するというのは、現役時代の少し後ですよね。現役時代は進歩しているので完成しないのでしょう。ローマ法が不磨の大典になったのは西ローマ帝国滅亡後のユスティニアヌスの時代ですし。

有職文様の良いところは、上品というだけで、意味に関係なく柄を合わせることができるところですね。

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写真7番目は、喜多川俵二の名古屋帯「角繋ぎ」を合わせてみました。シンプルな紅葉流水に合わせ、シンプルな色とデザインの帯で合わせてみました。
[ 2017/07/16 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせ

第三千八百七回目は、一の橋の付け下げ「紅葉流水」の帯合わせです。

すっきりした意匠の着物ですから、すっきりした帯ということで間道を中心に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「海老殻間道」を合わせてみました。

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写真2番目は、龍村の袋帯「郁芳間道」を合わせてみました。

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写真3番目は、龍村の袋帯「ちとせ間道」を合わせてみました。

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写真4番目は、龍村の袋帯「彩香間道」を合わせてみました。

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写真5番目は、池口の袋帯「佐波理つづれ」シリーズの極初期の1本を合わせてみました。御簾をテーマにしたもので、垂れの部分で御簾だったとわかりますが、それ以外の部分はまるで間道です。。

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写真6番目は、おび弘の袋帯を合わせてみました。モダンとも思える色とデザインですが、技法はホンモノの引き箔でじつは伝統的な帯です。
[ 2017/07/15 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の付け下げ「紅葉流水」の続き

第三千八百六回目は、一の橋の付け下げ「紅葉流水」の続きです。

今日は細部を近接で撮ってみました。撮ってみたらどこも同じようで恐縮しています。倉部さんの付け下げは、物語として展開していくような意匠ではなく、完成度の高いパーツを繰り返して見る意匠だからしょうがないですね。そこはやはり友禅と繍箔の違いなんじゃないでしょうか。小袖の時代でも、友禅の発明によって、絵画性が高く物語として展開していく小袖の意匠が生まれたのだと思います。

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いちばん上の写真は、マエミの上の方にある紅葉の近接です。繍箔のこの作品でも、赤と緑の2色だけとはいえ、彩色が行われています。しかしこの2色はじつは友禅ではなく、顔料によるものです。顔料の持つ不透明感のおかげで、金箔に負けない存在感が得られているのだと思います。

縁蓋を使った金彩に負けないためには、生地に浸み込む染料の自然な感じより、生地に接着剤で着けた顔料のくっきり感が合いそうです。顔料部分も縁蓋を使っているのでしょうか。

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写真2番目は、オクミにある紅葉の近接です。

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写真3番目は、マエミの下の方にある紅葉の近接です。

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写真4番目は、後姿にある紅葉の近接です。
[ 2017/07/14 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)

一の橋の付け下げ「紅葉流水」(実際の制作は倉部さん)

第三千八百五回目の作品として、一の橋の付け下げ「紅葉流水」を紹介します。実際に制作したのは倉部さんです。

龍田川とも呼ばれる、紅葉と流水のモチーフですが、全くひねりの無いとても平明な表現です。倉部さんの箔と刺繍の加工だけが見どころですね。倉部さんでなければ意味がない作品ですし、倉部さんの凄さを引き立てるには、こんな平明な図案の方が効果的なのかもしれません。

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いちばん上の写真は、前姿(マエミ+オクミ)です。

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写真2番目は後姿です。

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写真3番目は片袖です。もう片方の袖は無地です。

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写真4番目は胸です。
[ 2017/07/13 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)