龍村美術織物の間道の袋帯「東雲間道」の帯合わせ

第三千八百九十四回目は、龍村美術織物の間道の袋帯「東雲間道」の帯合わせです。

今日は付下げに合わせてみました。今回の帯は、間道の筋の色に華やか緑や青もありますが、全体のイメージはベージュ~茶系です。そこでその色に逆らわないよう、付下げも茶系にしてみました。

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いちばん上の写真は、花也の付下げ「松皮取り四季花」を合わせてみました。紬地の付下げで、松皮取りの中には、見る人の目を覚ますような金と紺の鋭い霞が入っています。それもまた琳派的な装飾だと思います。生地は紬で、糊糸目と紬地の組み合わせは、自然素材感がありますね。

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写真2番目は、大羊居の付下げ「薬師寺遺宝」を合わせてみました。ブログを遡ると以前紹介している付下げです。薬師寺の金堂などの装飾を取り込んでいます。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の付下げ「正倉院丸文」を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんです。色糊の線表現だけを使った作品で、見慣れた友禅と違って最初戸惑いますが、見慣れてくると、こういうのが洗練というものか、という気がしてくる作品です。

色糊というのは、原理的には江戸小紋にも使われているもので、糸目の糊に染料を混ぜ、その糊を淡い流すと染料だけが生地に定着するというものです。明治時代に広瀬備治という人が発明したもので、型友禅の技術の基礎になりました。これは手描き友禅に利用していますが、型小紋に利用するのは江戸小紋の基本技法です。

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写真4番目は、花也の付下げ「霞取り千鳥」を合わせてみました。「波に千鳥」の千鳥を霞暈しと合わせて、波よりあっさり仕上げたものです。

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写真5番目は、中井淳夫の付下げ「蒲の穂」を合わせてみました。糸目を隠した友禅と刺繍で写生的な表現をしています。中井さんしかやらない凝った表現です。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の付下げ「山帰来(サルトリイバラ)」を合わせてみました。サルトリイバラは赤い実がなって冬中維持されるので、クリスマスリースに使われます。藤岡さんは柔らかい糊でナチュラルな表現をします。

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写真7番目は、花也の付下げ「斜め取り宝尽しと吹寄せ」を合わせてみました。斜めの取り方ですが、取り方の外側は吹寄せで、堅く練った糊で、鋭くかすれた松葉を描いています。取り方内部の宝尽くしの色目が帯と調和しそうなので選んでみました。
[ 2017/10/11 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の染め帯「狗張り子」の帯合わせ

第三千八百九十二回目は、一の橋の染め帯「狗張り子」の帯合わせです。

今日は染めの着尺に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、野口の手描きの格子の着尺を合わせてみました。格子模様には型染のものもありますが、これは手描きのものです。防染には蝋を使っているので蝋染です。よろけ縞ともいわれる揺らいだ線は雰囲気が軟らかく、玩具という帯のテーマに合っているのでは。

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写真2番目は、野口の手描きの格子の着尺を合わせてみました。上と同じシリーズですが、こちらは多色です。多色の帯の模様に対し、着物を単色にして帯の模様だけを浮き立たせるパターンに対し、こちらは着物も多色にしてみんなで盛り上がってみました。

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写真3番目は、野口の更紗の着尺を合わせてみました。綺麗な黄緑色です。全体ハイな感じでまとめてしまいました。

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写真4番目は、野口の大きな市松取りの着尺を合わせてみました。野口らしい人気の着尺ですが、この存在感ありすぎの着物に合う帯は難しいです。描き絵のおかげか、個性のある着物を良く従えていると思います。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。今までは華やかな色で合わせてきましたが、秋らしい焦げ茶で年輩も着られる色でも合うか試してみました。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。黒地に華やかな色の吹寄せで、とりあえず考えるのはこんな帯合わせでは無いでしょうか。

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写真7番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。珍しい倉部さんの着尺です。個性の強い着尺ですが、今日の帯合わせではこれがいちばんだと思います。スリルもありますし。
[ 2017/10/09 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の染め帯「狗張り子」の帯合わせ

第三千八百九十一回目は、一の橋の染め帯「狗張り子」の帯合わせです。

今日は紬に合わせてみましたが、帯のスペシャル感に敬意を表し、作家モノっぽい作品に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、青戸柚美江さんの出雲織「夜空の風景絣」を合わせてみました。

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写真2番目は、秋山真和の花織や絣を併用した作家モノっぽい絵羽の作品を合わせてみました。

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写真3番目は、秋山真和の格子と絣を併用した作家モノっぽい絵羽の作品を合わせてみました。

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写真4番目は、上の帯合わせの全体を撮ってみました。

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写真5番目は、林宗平の塩沢紬を合わせてみました。「古代紬」というネーミングで制作していたころのもので、作家モノっぽい多色の絵羽の絵絣です。

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写真6番目は、上の帯合わせの全体を撮ってみました。
[ 2017/10/08 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

一の橋の染め帯「狗張り子」の帯合わせ

第三千八百九十回目は、一の橋の染め帯「狗張り子」の帯合わせです。

今回の帯は、カジュアルだけどじつは贅沢でお洒落というポジションです。合わせる着物としては、作家モノの紬とか、高めの小紋ですよね。名古屋帯という形式からも作品テーマからも、訪問着のような純粋フォーマルの相手は考えにくいです。しかし今日はあえて付下げと訪問着に合わせてしまいました。ダメだと思って一応合わせてみたら、なんとなくサマになってしまったからです。

多分その理由は、友禅でなく描き絵だからだと思います。染めと描きの違いは、染料か顔料かの違いです。染料と顔料の違いは粒子の大きさです。水に溶けたというとき、じつは水の中を目に見えない大きさの粒子が漂っているんですね。粒子の小さい染料は繊維の中に入り込みますが、粒子の大きな顔料は繊維の表面に乗るだけなのです。そのために顔料は摩擦に弱いという欠点があります。しかし、染料は繊維に入り込んでいるので目が直接見ていないのに対し、顔料は直接見ているので色が鮮やかなのです。訪問着はたいてい友禅染ですから、異質な色の強い描き絵の帯で押さえつけることができるのだと思います。

ついでながら、それが沖縄の紅型が色鮮やかな理由です。そして70年代の紅型が、しみ抜きしようとして擦ったら色が落ちてしまったというトラブルの理由でもあります。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の付下げ「取り方草花文」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。五角形の取り方を付下げの模様配置にしたものです。輪郭線はありません。

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写真2番目は、一の橋の付下げ「リング宝飾」を合わせてみました。実際に制作したのは倉部さんです。箔と金糸によって描いたものです。

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写真3番目は、花也の付下げ「糸目笹の葉に四季花」に合わせてみました。糊糸目の線描きが見どころですね。

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写真4番目は、北秀の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは大定です。ここから3枚は、名古屋帯は絶対合わせないようなフォーマルな訪問着です。豪華な秋草文です。

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写真5番目は、北秀の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは大定です。江戸時代の友禅の小袖にある楼閣風景文です。

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写真6番目は、北秀の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは大松です。京友禅の安田が得意とした、多彩な取り方+白揚げ様式です。西洋風の配色の大松独自の雰囲気です。
[ 2017/10/07 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

喜多川俵二の名古屋帯「唐太鼓花形文」の帯合わせ

第三千八百八十七回目は、喜多川俵二の名古屋帯「唐太鼓花形文」の帯合わせです。

今日は染めの着尺に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、野口の横段の着尺を合わせてみました。横段や市松は野口らしい大胆な小紋と思ってしまいますが、段模様は慶長小袖に多くある模様配置で、古典に定評がある野口らしい意匠です。模様部分を見ると、描かれているのは松竹梅でテーマとしては堅いですから、有職文様の帯も良いかなと思います。

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写真2番目は、「琳派大短冊」というタイトルの着尺です。一の橋から仕入れたものの、実際に染めているのは誰かはわかりません。意匠が面白いので、たまたま1反だけ仕入れてみた作品です。このような大きい模様は、縫い目の模様のつながりを考えなければ訪問着的な雰囲気ですね。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。雪輪取りに松竹梅を合わせた飛び柄です。帯が丸い模様がメインの場合、着物の模様も丸いと、一瞬全身ドットの草間彌生と見えてしまう危険がありますね。このばあい帯が帯が菊で着物が雪輪で丸いものどうしですが、着物の飛び柄の間隔が広いし、まあいいかというところ。

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写真4番目は、野口の短冊模様の着尺を合わせてみました。短冊の中味は金線の華文です。上品で使い勝手の良い飛び柄小紋です。

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写真5番目は、野口の着尺を合わせてみました。淡い色を重ねた格子で、グラデーション的な表現をしたものです。型染(シルクスクリーン)でもこんな表現ができるという例ですね。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の着尺を合わせてみました。乱菊を意匠化したものです。帯の模様は皇室を連想させる格の高い菊ですから、それに対して乱菊を合わせるという高等技術です。
[ 2017/10/04 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)