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錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせ

第三千八百三十五回目は、錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせです。

今日はカジュアルな訪問着に合わせてみました。パーティー着と言われるタイプです。

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いちばん上の写真は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。更紗模様の着尺に使う型(シルクスクリーン)を流用したものです。

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写真2番目は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。横段模様の着尺に使う型(シルクスクリーン)を流用したものです。

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写真3番目は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。江戸時代の武士の衣装である熨斗目模様をイメージしたものです。

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写真4番目は、野口のカジュアルな訪問着(パーティー着)を合わせてみました。反物状態で販売されていますが、指示された位置で裁つと更紗の訪問着になります。

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写真5番目は、千切屋治兵衛のカジュアルな雰囲気の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは、中井淳夫さんです。糸目を消した友禅で脱力感のある模様が描いてあります。落書きのような雰囲気を出すためにわざわざ糸目を消しているんですね。脱力感のある落書きにきれいな糸目があっては不自然ですものね。そういうことに芸が細かいのが中井流です。
[ 2017/08/13 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせ

第三千八百三十四回目は、錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせです。

今日は染めの着尺に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、野口の着尺を合わせてみました。エキゾチックな帯に合わせる着物と言えば、とりあえず更紗ですね。帯が多色ですから単彩濃淡のものを選んでみました。それと帯の主役が鳥なので、着物に鳥がいないことも大事ですね。

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写真2番目は、野口の着尺を合わせてみました。暗緑色地の大きい蔓草模様です。こういう模様は更紗模様か唐草模様かわかりにくいことがあります。花の形で判断してこれは更紗だと思いますが、西陣の帯のタイトルのばあい、唐草文の系譜の属するものでありながら、わざと間違えて「××更紗」とタイトルを付けているものがあります。おそらく意匠登録の都合と模倣者を惑わせるためだと思います。

大きな模様の着尺は一見帯合わせが難しそうですが、模様が大きいということは余白も大きい(無地場がある)ということです。そのため帯が合わせやすいこともあります。

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写真3番目は、野口の着尺を合わせてみました。いちばん上の写真の更紗模様のパターンを和モノにしてみれば、こんな吹寄せ模様になるんじゃないでしょうか。

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写真4番目は、岡重の着尺を合わせてみました。岡重の着尺というのは野口ブランドで販売されるものもありますが、岡重ブランドで販売されることもあります。野口ブランドのものは止め柄になっています。実質どちらも同じですが、私は野口が関わったものの方がセンスが良いような気がしてしまいます。贔屓目でしょうか。これは野口が関わらないものでが、笹舟のテーマなので本当は単衣用だと思います。でも生地が単衣っぽくないんですよね、野口ならそういう手抜かりはないのですが。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の着尺「花菱入り霞」を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。帯が横段模様なので、着物の模様も水平配置にしてシンクロさせてみました。着物は無彩色で模様も古典パターンですから使い勝手は良いです。

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写真6番目は、野口の着尺を合わせてみました。紬の生地に細かい絣のような模様を染めたものです。一見織物でじつは染物という着物ですね。何のために存在するのかわかりませんが、帯合わせを含め使い勝手は良いです。細かいながら格子の幅を変えるところなど野口らしいセンスもあります。
[ 2017/08/12 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせ

第三千八百三十三回目は、錦工芸の九寸の名古屋帯「インカ鳥波」の帯合わせです。

今日は紬に合わせてみました。エキゾチックなテーマでも土俗的・民族的なものは紬に合わせるとよく合いますね。チャンカイというのは高度な文明で「土俗的・民族的」と言っては失礼かもしれません。南北アメリカの歴史は、ユーラシアの歴史の順序が当てはまるわけではないので、時間の経過とともに徐々に文明が進歩するわけではありません。過去の一時期がすごかったりするわけですね。

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いちばん上の写真は、郡上紬を合わせてみました。クリアな色の帯は、土俗的な雰囲気の真綿の着物と対比させると良いものです。

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写真2番目は、小岩井工房の上田紬を合わせてみました。池内淳子さんなどの女優御用達で知られた都会的な洗練のある紬です。

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写真5番目は、大城織物工場の琉球絣「三代継承紬」を合わせてみました。「三代継承紬」というタイトルが付けられた作品は、かつて哲さんによって織られたスペシャルバージョンです。三代とはカメ、清栄、哲のことであり、経緯ともに手紡ぎの真綿糸が使われています。販売されていたときの価格は、通常品の2,3倍したと思います。

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写真5番目は、石下紬を合わせてみました。綺麗なピンクを試してみました。重要無形文化財でない結城紬と石下紬は区別しにくいですよね。地域的にも結城市と結城郡石下町の違いですし。私は所属する組合の違いだと思っていますが。

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写真5番目は、秦荘紬を合わせてみました。もともとは秦川村というのがあり、近江上布の産地でした。「秦」という文字は渡来人を連想させ織物の里としてとても良かったのですが、合併により「秦荘町」となりさらに「愛荘町」となり、ついに「秦」の字が無くなってしまいました。

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写真2番目は、秋山真和の綾の手紬を合わせてみました。帯の模様にある赤と緑を生かしてみました。
[ 2017/08/11 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

錦工芸の九寸の名古屋帯「南天」の帯合わせ

第三千八百三十一回目は、錦工芸の九寸の名古屋帯「南天」の帯合わせです。

今日は付下げに合わせてみました。

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いちばん上の写真は、花也の付下げ「竹林」を合わせてみました。先日に裁付下げを帯合わせで使いましたが、こちらは竹の一部をダンマル描きにして遠近感を付けたものです。友禅は糊で完全に防染されるので白くくっきり抜けますが、ダンマル描きは半防染で中間色になるので、両者を併用すると空気遠近法のような効果が出るのです。

友禅だけの作品は、竹林とは言いつつ直線が並ぶ幾何学模様のように見え、ダンマル描きを併用した作品は竹林の写生に見えます。下絵が同じでも技法によって視覚効果が変わり、作品の意味が変わってくるんですね。この帯合わせは、笹の葉の無い寒々とした竹林と雪と南天で、現実にありそうな組み合わせです。

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写真2番目は、花也の付下げ「和本」を合わせてみました。本をテーマにした友禅作品は、江戸時代の小袖以来、連綿と作られています。たいていは光悦の謡本などテーマにしていて、文のページと絵のページがあり、文のページは疋田、絵のページは多彩な友禅で表現しています。

両者は1対1または2対1ぐらいでバランスを取っているわけですが、この付下げは全部疋田で絵画性が不足しています。帯で絵画性を補完せよ、ということなんですね。このぐらいの赤い実が有ってちょうど良いのではないでしょうか。

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写真3番目は、花也の付下げ「斜め取り宝尽しと吹寄せ」を合わせてみました。画面をいきなり切り取るような斬新な取り方を採用しモダンな雰囲気がある一方で、松葉はちょうど良いぐらいにかすれて、伝統的な糊糸目を実感させてくれる作品です。吹寄せ→晩秋というイメージで、冬の雪と南天につなげてみました。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の付下げ「蔦」を合わせてみました。実際に制作したのは、千治の本社工場です。今はないですが、かつては千治や千總にはちゃんと本社に工房がありました。わりと若い職人さんたちが正座して並んで糸目や彩色をしており、まさに工房だったのですが、「工房」などといわず「工場」と言っていたのが、着物が普通の商品であった時代を思わせます。

中井淳夫の糸目を消した友禅による作品にそっくりです。千治の工場では、当時最も尊敬されていた中井さんを模倣した作品も作っていたというわけです。おそらく中井さん自身も協力していたのでしょう。

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写真5番目は、花也の付下げ「紐」を合わせてみました。紐が絡まるだけの図案で、単体で見ると絵画性が不足して鑑賞しにくいところが残念ですが、帯合わせを考えると便利です。そのばあいはもちろん色が綺麗なことが条件ですけどね。

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写真6番目は、花也の付下げ「笹取り楓」を合わせてみました。ダンマル描きで笹の葉を描き、それを取り方にして糊糸目で楓を描いたものです。友禅部分は線描きで、ダンマルのぼやっとした中間色と糊糸目の乳白色の線の対比が楽しめるようになっています。楓のいきなりの赤い彩色が意外ですが、私のような関東人は京都っぽさを感じます(京都の人は違うと思うかもしれないですが)。

この赤が、南天の赤い実に対応するんじゃないかと思って選んでみました。
[ 2017/08/09 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

錦工芸の九寸の名古屋帯「南天」の帯合わせ

第三千八百三十回目は、錦工芸の九寸の名古屋帯「南天」の帯合わせです。

今日は染めの着尺に合わせてみました。雪輪と南天の模様→冬のテーマと考えて、そのテーマからの距離感ということで着物を選んでみました。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の型染めの着尺「小付け疋田雪輪」を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。どちらも冬で雪というテーマですし、雪輪のモチーフ自体を重ねる帯合わせです。リフレインが美しいということもありますから悪くはないですが、距離間でいえば近すぎということになるでしょうか。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の着尺「破れ雪輪」を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。破れ雪輪というのは、雪が溶け始めた状態を表す文様ですから早春のテーマです。疋田の雪輪と合わせて、冬と早春の中間といったところでしょうか。季節でいえば、着物が帯よりちょっとだけ先駆ける感じですね。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の着尺「雪の結晶」を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。季節でいえばどちらもちょうど冬ですね。帯の雪輪に対し着物は雪の結晶にして、モチーフが重ならないようにしてみました。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の着尺「色紙散し」を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。見えている模様は菊ですが、色紙の模様はいろいろあって季節はありません。距離感としては、無関係の関係というところ。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の着尺「笹取り更紗」を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。小付けの模様で笹を取り方にして、中に更紗の模様です。笹の模様は冬も使いますが更紗は季節無しで、ちょうど良く関係ないと言ったところ。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の手挿しの着尺「更紗」を合わせてみました。実際に制作したのは大和さんです。更紗というのは染めの着尺でもっともポピュラーで使いやすいモチーフですね。何を合わせて良いかわからないときは、こんな帯合わせをすると思います。

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いちばん上の写真は、藤井絞の着尺「雀」を合わせてみました。辻が花的な技法で雀を表現した飛び柄の着尺です。雪と南天と雀というのは1枚の絵に収まるモチーフの集まりです。それぞれ不完全な模様の着物と帯を組み合わせて、完全な絵を創るというのは帯合わせの理想ですが、こういうことは滅多にできません。
[ 2017/08/08 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)