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野口の付下げ(実際の制作は倉部)

第三千三百六十二回目の作品として、野口の付下げを紹介します。実際に制作したのは倉部さんです。

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いちばん上の写真は、前姿(マエミ+オクミ)です。倉部さんの作品は技術もセンスも素晴らしいですが、コストが高いために模様の面積が小さくて寂しい着物になってしまうのが残念なところです。この作品の前姿の波の模様は、マエミに5個、オクミに1個です。倉部さんにしては多い方でしょうか。

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写真2番目は後姿です。波の数は背中心の左右に2個と1個です。付下げの後姿の模様配置としては合理的ですね。

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写真3番目は、マエミの上の方の模様の近接です。地色も含めて水色の濃淡だけで構成されており、それに金糸だけが加えてあります。波と波頭というモチーフは古典そのものですが、本来連続していく波の模様を単独で散らしてモダンな様式にしています。色もモダンで良い組み合わせになっています。

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写真4番目は、マエミの下の方の模様の近接です。

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写真5番目は、波頭の金糸の拡大です。細い金糸を重厚に重ねています。そのために盛り上がっているように見えるわけですが、それが波頭の表現にふさわしいわけです。

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写真6番目は、裏から見たところです。金糸が本金糸かポリエステルフィルムかを見分けるときは、裏側を見て金糸の端を探します。平金糸のばあいは裏が和紙、ポリエステルフィルムな場合は裏も金なのですぐわかります。

この作品のように撚金糸のばあいは、裏側を見て金糸の端のほつれているところを探します。この作品では、波頭の金糸の端が3か所飛び出して見えますね。撚金糸は、芯糸(現在はたいていテトロン)の周りに本金糸かポリエステルフィルムが巻いてあるわけですが、ほつれているところを見て、裏が和紙の本金糸か裏も金色のポリエステルかを見ます。

倉部さんの作品は、「倉部」と落款があるわけではないですから、あくまで野口の商品にすぎません。扇子や技術でもわかりますが、私はとりあえず本金が使ってあるかどうかで見分けています。
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[ 2016/04/24 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)

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