大羊居の付下げ「此君」の帯合わせ

第三千三百五十七回目は、大羊居の付下げ「此君」の帯合わせです。

帯合わせをするときは、色を合わせるだけでなく、意味のある帯合わせをしたいものです。しかし今回の筍のように、季節限定で単一のモチーフの着物の帯合わせに意味を持たせることは難しいです。着物の意匠だけで世界が完結しているからでしょう。春だからと言って、帯で春の草花を足すのも蛇足と思えますし、さあどうしたものでしょうか。

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いちばん上の写真は、龍村の名古屋帯「ほかけ」を合わせてみました。帆掛け船と筍には全く意味的なつながりはありませんが、季節にはつながりがあります。舟は旅立ちの意味で、卒業式や入学式にふさわしいモチーフですから、筍の時期と重なるのです。

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写真2番目は、大西勇の袋帯を合わせてみました。正倉院御物の臈纈屏風に取材したものです。この作品は精緻な現代の西陣織ですが、天平時代の臈防染のタッチを模して素朴なデザインにしています。象と筍には全く意味的なつながりはありませんが、季節にはつながりがあります。白象は摩耶夫人が釈迦誕生の時に見た夢ですが、釈迦の誕生を祝う花まつりは4月8日で、筍の時期と重なるのです。

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写真3番目は、織悦の袋帯「扇子霞文」を合わせてみました。春と言えば霞ということで合わせてみました。雲や霞というのは、合わせるにしても消極的なモチーフですが、それだけに便利ですね。

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写真4番目は、織悦の袋帯「彩籠目小文」を合わせてみました。筍が竹になって籠になるということで、原材料と商品という組み合わせをしてみました。

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写真5番目は、花也の名古屋帯「湊取り琳派梅松」を合わせてみました。偶然、梅と松だけの帯が有ったので、着物と合わせて松竹梅をつくってみました。花也が中井淳夫さんの元下職を使って作ったもので、中井のテイストがあります。中井の友禅とと大羊居の友禅が合わさってしまったわけで、共演NGの女優さんをキャスティングしちゃったプロデューサーみたいな感じですね。
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[ 2016/04/19 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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