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龍村の袋帯「ちとせ間道」とそれ以外の間道の帯合わせ

第三千三百五十四回目は、龍村の袋帯「ちとせ間道」とそれ以外の間道の帯合わせです。

今日は大羊居の訪問着にいろんな龍村の間道を合わせてみました。この訪問着は「新様更紗」というものです。タイトルについて説明を受けたわけではないので、想像するだけなのですが、「新様」というのは、アールヌーヴォーやアールデコが日本に入ってきたときに使われた言葉ではないかと思うのです。アールヌーヴォーは「新芸術」ですし。

昭和の初めごろに、呉服業界にも新デザイン運動のようなものがあり、三越など百貨店が着物のデザインを一般公募するすることがありました。写真5番目の参考図版をご覧ください。この当時、東京の小売店にデザインの主導権を握られてはかなわないというわけで、京都の友禅界も対抗策を打ちました。それが京都丸紅の「美展」です。

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いちばん上の写真は、「ちとせ間道」を合わせてみました。この大羊居の訪問着は、直線の斜め取りと更紗を組み合わせたものですが、帯合わせとしては、更紗の帯を合わせれば模様が重なってしまうし、古典模様を合わせればモダンな斜め取りに逆らってしまう、けっこう難しいものです。そこで間道の出番となりました。

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写真2番目は、「彩香間道」を合わせてみました。上の例では、青系の色で合わせましたが、ここでは青から離れてみました。地色とは同系濃淡ですね。

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写真3番目は、「海老殻間道」を合わせてみました。青と茶色を合わせた間道です。青部分は模様と同系、茶部分は地色と同系です。

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写真4番目は、「郁芳間道」を合わせてみました。青とベージュの間道で、模様の色と地色にぴったり合わせてみました。

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写真5番目は参考図版です。京都書院「染色の美10」のなかの中村勝馬が「東京友禅いま昔」という文章から拝借しました。「大正2年の百貨店の懸賞当選図案」というもので、第一等賞が「古代更紗」という三宅清治郎の作品でした。三宅清治郎というのは、洛風林を創業した堀江武さんが戦前に勤めていた京都の問屋の社長です。直線の斜め取りと更紗を合わせたもので、大羊居もじつはこの作品を知っていて、「古代」と「新様」で言葉遊びをしているんじゃないかと思います。

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[ 2016/04/16 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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