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龍村の袋帯「ちとせ間道」の帯合わせ

第三千三百五十一回目は、龍村の袋帯「ちとせ間道」の帯合わせです。

今日は絵羽の着物と合わせてみます。

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いちばん上の写真は、野口の更紗の訪問着と合わせてみました。更紗の着尺用の型を流用し、絵羽の訪問着としたものです。本来小紋であった作品の派生品という制作の経緯からすれば、カジュアルな訪問着ということになるでしょう。お洒落着とかパーティー着というカテゴリーと思えば理解しやすいです。

フォーマルの様式で作られたカジュアルな着物とも言えますね、その結果ポジションが曖昧になっているわけですが、着る人間の側も、みんなが昔のようにポジションを決めて生きているわけではないので、出番は多いかもしれません。帯合わせについては、紬でも訪問着でも合わせられる間道が有って助かった、というケースですね。

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写真2番目は、花也の訪問着を合わせてみました。ダンマル描きと刺繍で、夕暮れ時の薄墨色を思わせる桜を描いた訪問着です。晴れの空を背景にしたピンクの桜も美しいですが、夕方の一瞬だけ見られる薄墨色の桜も風情がありますよね。その短い時間をテーマにした訪問着だけに、帯合わせは悩みます。「薄墨色の桜」を100%味わうべきで他の意味を加えたくないですものね。というわけで、間道の出番となりました。

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写真3番目は、藤井絞の訪問着を合わせてみました。全身柄の蔦模様を絞りで表現したもので、縫い目でも絞りの模様がしっかりつながっている凝ったものです。このように1つのテーマに集中した作品というのは、帯合わせには悩むものです。秋の風情ということで栗鼠の帯でも合わせたいところですが、都合良く栗鼠の帯なんて持っている人はいないです。というわけで意味も季節も足さない間道を合わせてみました。

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写真4番目は、中井淳夫さんの訪問着を合わせてみました。朝露をテーマにしたもので、モノトーンの階調で描かれた2種類の植物(木の枝に蔦の蔓が絡まっているようです)に、真珠のように白く輝く朝露が描かれています。一部の朝露はあしらいがされています。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。ダンマル描きで描かれたもので、紅葉が散る秋の風情がグラデーションを多用して美しく描かれています。ですが、烏帽子を被った謎の人物がその紅葉を掃除しており、意味の分からない作品になっています。本人が亡くなっているために永久に謎です。着物の意味が分からないので、意味の無い間道を合わせるしかないですよね。

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写真6番目は、千切屋治兵衛の訪問着を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。梅と竹と菊をテーマにしたものですが、竹には笹だけではなく竹垣も有って、その竹垣の囲いで模様が散らばらないようにがちっと抑えているのです。

広がって美しい模様もありますが、このようにガチっとした構造の中に納まる模様の美しさもあります。ガチっとした模様の着物にガチっとした格子の帯を合わせてみました。
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[ 2016/04/13 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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