千總の振袖の帯合わせ

第三千三百四十回目は、千總の振袖の帯合わせです。

今回の千總の振袖は、先日の参考図版で見ていただいたとおり、刺繍が友禅に変更してあるだけで、モチーフやそのならべ方は意外に古典に忠実です。芒の表現もモダンに見えますが、それもまた古典通りなんですね。全身が草花文様であるわけですが、それに合わせる帯は草花模様でも良いでしょうか。それとも草花を避けた方が良いでしょうか。今日はそんなテーマです。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「瑞鳥遊園錦」を合わせてみました。チュニジアに多くあるローマ時代のモザイクをテーマにした作品です。葡萄の蔓と鳥を合わせたものですが、着物の草花に対して帯は鳥ということで、全体で花鳥画をつくる帯合わせです。いつもこんな風に決まれば帯合わせは楽ですね。

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写真2番目は、紋屋井関の銀平脱の合子をテーマにした袋帯を合わせてみました。銀平脱は職人の人権を無視したような古代特有の面倒な技法です。用途は聖武天皇の碁石入れで、象さんチームと鸚哥さんチームがあります。それを並べて帯の意匠としたものです。着物の草花模様に対する帯の鳥獣模様であり、着物の拡散模様に対する帯の円形凝縮模様です。

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写真3番目は、織悦の雪輪の袋帯を合わせてみました。着物の草花模様に対する帯の気象現象模様であり、着物の絡み合った模様に対する帯のすっきり模様です。こういうすっきりした模様は使い勝手は良いですね。

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写真4番目は、帯屋捨松の袋帯「ヴィクトリア花文」を合わせてみました。洋の東西の違い、織りと染の質感の違いはありますが、どちらも絡み合った草花模様です。避けた方が良いでしょうか、それとも質感が違うから良しとしますか。

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写真5番目は、山口織物の花の丸をテーマにした袋帯を合わせてみました。どちらも草花模様ですが、着物の拡散模様に対して帯は円形凝縮模様です。円形凝縮模様は余白がありますが、その余白のおかげで模様が切り離されてそれが救いになっています。
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[ 2016/04/02 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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