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織悦の紗の袋帯

第二千五百三十回目の作品として、織悦の紗の袋帯を紹介します。

夏の紗の袋帯で、タイトルは「すすき」です。芒だけをテーマにしたシンプルな意匠の夏用の紗の袋帯です。西陣の帯とは、絹や金銀箔あるいはポリエステルの糸を縦横に使って、模様を表現する芸術です。視覚効果としてポリエステルが効果的と思えば、躊躇なくポリエステルを使うことからわかるように、その精神は伝統を守るというよりも創作ですね。

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いちばん上の写真は帯の幅を写真の幅として撮ったものです。

この帯は、織悦の袋帯としては、買いやすい値段のシンプルなものです。地の糸のほかには、芒の穂を表現するための青銀色の細く裁断されたポリエステルのフィルム、芒の葉を表現するための金色の細く裁断されたポリエステルのフィルムのみを使っています。

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写真2番目は、芒の穂の部分を拡大したもので、青銀色のフィルムを細く裁断して糸にしたものを使っています。よく見ると、紗の地の緯糸の上を通って、表面からよく見えて柄を形成する糸と、すでに柄を表現する役割を終え、地の糸の裏側を渡っていく、表面からは見えにくくなっている糸があります。

通常の織物の組織ならば、裏側を渡っていく糸は見えません。見える部分と見えない部分があって、初めて模様が構成されます。仮に、裏へ潜った糸が表面から見えてしまったら、舞台を降りて楽屋に戻った俳優が舞台の奥に透けて見えてしまっているのと同じです。

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この帯は紗の組織ですから、糸と糸の間に隙間があって、裏に潜った糸が見えてしまいます。とても都合が悪いことですが、むしろ、織悦はそれを逆用して、全体を金糸が見え隠れして光るような演出に利用しています。普通の帯であれば、地の組織に金糸を混ぜたような効果があるようです。写真3番目を見るとよくわかると思います。

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写真4番目は芒の葉の部分の拡大したもので、金色のフィルムを細く裁断して糸にしたものを使っています。これは完全に表に出て葉の模様を構成している部分です。この金糸も、裏に潜ると表面から不完全ながら見えてしまいますが、それにより地に金糸を混ぜたのと同じ効果になりますね。
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[ 2013/11/06 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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