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一の橋の付下げ(実際に制作したのは安田)

第三千二百七十四回目の作品として、一の橋の付下げを紹介します。実際に制作したのは安田です。

私がかつて憧れ、北秀や千切屋治兵衛であまりの高価さに悩みながら仕入れていた安田は、安田好男さんというのですが、今回紹介する一の橋が扱う安田はその息子さんの作品になります。息子さんの作品は少し前に「雲」を紹介しましたから、今度の「うさぎ」で2点目になりますね。

安田好男さんの作品は、安田様式ともいうべき一定の形式を持っていました。雪輪、扇面、色紙あるいは短冊などの取り方があって、その内部を友禅の割り付け文、箔、描き疋田あるいは刺繍でこれでもかというぐらい重加飾をし、一方で取り方の外部は波や松などをさらっと白揚げの友禅で描くというものでした。

すなわち、取り方の内部は江戸前期までの権力者好みの重厚な装飾であり、取り方の外部は江戸後期に現れる粋な文化を思わせる装飾なのです。1枚の着物で、何百年かの小袖の歴史を説明してしまうんですね。だからこそ、安田様式はもはや進歩する必要のない完璧な様式であり、かつ誰でも真似できて模倣品が氾濫するという欠点を持ったものでした。

私は、息子は安田様式を受け継いで正統な模倣品をつくるものと思っていました。ところが全然違ったのです。なんだか親より才能があるみたいですね。なんと自分で下絵を描くそうです。自分で筆を持たずコンダクターの立場でいる従来の京都の悉皆屋とは違うようです。

それは一見良いことのようにも思えますが、京友禅界の余裕がなくなって、全く筆を持たない人を1人養う余裕がなくなって、コンダクターも何かしなければいけなくなったのかもしれません。

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いちばん上の写真は、前姿(マエミ+オクミ)です。うさぎ2、花2です。

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写真2番目は後姿です。うさぎ1、花2です。

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写真3番目は袖です。

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写真4番目は胸です。模様の数は、前姿4、後姿3、胸と両袖各1で10個ですね。
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[ 2016/01/23 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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