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千總の振袖

第三千二百七十回目の作品として、千總の振袖を紹介します。

2015年8月27日(三千百八十六回)でも千總の振袖を紹介しましたが、それは標準品で百貨店価格が78万円、こちらはもっと上のバージョンで百貨店価格は180万円になります。世間では高めの価格を参考上代として提示しておき、実際には値引き販売が常態化している場合も多いですが、千總のばあいは売上げの9割が百貨店ということなので、百貨店価格というのはほぼ実質価格ということになるのでしょう。

世間では、千總の京友禅が日本一だと思っている方もいますが、京友禅というのは、実際には悉皆屋が作るので、良い悉皆屋と契約したメーカーが良いメーカーということになります。少し目利きになると、千總の着物とか、千治の着物とか、野口の着物とか言う見方ではなく、どのランクの悉皆屋で作ったのかな、という見方ができるようになります。

ただ、千總のすごいところは、今でも社内で図案を作れることです。正社員として美大などを出た人材をおそらく20人ぐらい抱えているんですね。昔は千治にも考案室というのがあって、有田の絵付師の家系の方をチーフに10人ほどのチームが有ったのですが、20年ほど前に解散し、今はすべて悉皆屋まかせなのです。

千總の意匠力は、振袖によく発揮されていますよね。今回は、平板で退屈なゴム糸目をけなしたりするのではなく、図案を中心にチェックしていきます。

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いちばん上の写真は全体です。図案として全体を眺めてみると、7通りか8通りの花の丸文様で構成されていることに気づきます。しかしそれだけではただの飛び柄になってしまうので、流水がそれらに有機的なつながりをもたらし、意味のある1つの模様にしているのです。

振袖というのは、100号のキャンバスに相当します。それを1つの絵として破たんなく仕上げるということだけでも、素人にはできないことです。


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写真2番目は、前姿(マエミ+オクミ)です。

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写真3番目は後姿です。
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[ 2016/01/19 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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