花也の地紋を生かした付下げの帯合わせ

第三千二百三十九回目は、花也の地紋を生かした付下げの帯合わせです。

このブログの帯合わせの欠点は、着物のマエミに帯のお太鼓を合わせているので、実際にはあり得ない情景となっていることです。着物と帯のそれぞれのいちばん華やかなところを合わせて、特徴を分かりやすくしているわけですが、前姿の模様と後姿の模様が極端に違うばあいは無意味なことになってしまいます。

今回の着物は、模様が違うどころか、後姿は無地なのです。正確には地紋だけということですね。だから帯合わせでは、ほんとうは無地で合わせなければいけないわけですが、それでは全部合ってしまうので、あえてマエミで合わせています。

IMG_82371.jpg
いちばん上の写真は、大西勇の「銀平脱の合子」をテーマにした袋帯と合わせてみました。銀平脱とは、古代のみに存在する極めて面倒な技法です。用途は碁石の入れ物で、そのために象と鸚哥の2種類があります。遊んだのは聖武天皇で、死後、正倉院に収蔵されたので、今日見ることができます。

淡いローズの地色が若向きと感じるばあいは、この例のように茶色の地色の帯を合わせると上手く抑えることができます。着物の模様が、縦に真っ直ぐ伸びる図案なので、対照的な丸の図案の帯を合わせてみました。

IMG_82351.jpg
写真2番目は、織悦の袋帯「厳島花鳥蝶華文」を合わせてみました。平家納経をテーマにした帯です。平家納経の絵といえばといえば、十二単姿の女性や反っくり返った鹿を思い浮かべますが、こんな花鳥画もあります。平家納経は30巻以上有って、それぞれの表紙や見返しに絵がありますから、全体ではいろんな絵があって、西陣の帯の図案家は、その中から自由にコラージュして図案を作っているのです。

花鳥画は、日本ではどの時代でも描かれてきたわけですが、この花鳥は平清盛の時代すなわち王朝文化の最終形態でもありますね。鳥は、羽ばたいて飛んでいるのではなく、お気楽に浮かんでいるように見えます。まるで重力が少ないようで、この世ではなく極楽を飛んでいるようです。

IMG_82321.jpg
写真3番目は、織悦の袋帯「楽園」を合わせてみました。淡いローズの着物の地色に対し、茶色の地色の帯を合わせて年輩向きにしてみました。帯の模様も細かくて年輩向きではあるのですが、その一方で、お馬さんみたいなかわいい動物もいて、「地味」と「かわいい」を上手く共存させています。若い人が使っても良いですし、かわいいおばあさんになってもいいです。

IMG_82361.jpg
写真4番目は、帯屋捨松の袋帯を合わせてみました。全体が引き箔で、見た目よりはるかに軽い帯です。帯屋捨松らしいペルシア模様ですね。青い地色の帯というのは、どんな色の着物に合うのかと思いますが、意外に使い道がありますし、つまらない着物が面白くなったりします。

IMG_82311.jpg
写真5番目は、織悦の袋帯「霞に扇子」を合わせてみました。和風で大人しく上品な帯で、そのためにあまり存在感が無いようにも感じますが、やはり織悦で、ものすごく洗練されていて、それが個性ですね。
スポンサーサイト
[ 2015/12/19 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/866-8db02df2