藤井絞の名古屋帯「神坂雪佳の金魚(金魚玉)」の帯合わせ

第三千二百三十四回目は、藤井絞の名古屋帯「神坂雪佳の金魚(金魚玉)」の帯合わせです。

昨日は、単衣の着物に合わせて、4月の汗ばむ日から6月の間に着るという設定で帯合わせをしましたが、今日は夏物である紗の織物を合わせてみます。着物が夏物であれば、帯は単衣に合いそうな玉紬ではなく、完全な夏物である紗か絽であるべきだと思われるかもしれませんが、今日は6月の、初夏というには爽やかでないが真夏ではないという曖昧な時期という設定です。体感では着物は紗で十分、帯は夏物でも単衣でも自由な解釈で、というところです。

IMG_84181.jpg
いちばん上の写真は、東郷織物の夏大島を合わせてみました。東郷織物は大島紬の有名織元ですが、この夏大島は格子なので、値段がリーズナブルです。大島紬は織締という技法で作られる細かい絣に手間とコストがかかっているので、それ以外のものは高くはありません。私は、真夏に茶色、というセンスが好きなので、この夏大島はしょっちゅう帯合わせに使ってしまいます。

IMG_84201.jpg
写真2番目は、小千谷縮を合わせてみました。小千谷縮といわれるものには、重要無形文化財の手績みの苧麻を手織りしたものと、ラミーで織ったものがありますが、これはもちろん後者です。縞や格子ならば値段は高めの浴衣ぐらいですし、立派な伝統工芸品ということで浴衣よりは本気で着物を着ている実感があり、とても良い商品です。

この小千谷縮はグレーとグリーンの大胆な染め分け模様に見えますが、縞で太さが変わっているだけですから、値段としては縞の扱いになります。

IMG_84461.jpg
写真3番目は、夏琉球を合わせてみました。撚りの掛かった糸で紗に織られた琉球絣で、素材は絹です。10万円前後ですから、ホンモノの手織りの沖縄の織物の中ではいちばん買いやすいですね。

IMG_84471.jpg
写真4番目は、夏久米島を合わせてみました。久米島紬の夏物として近年織られたものです。ラベルには王朝時代に有ったものを参考に織ったとあります。夏久米島と言われる着物が出始めるごく初期に仕入れたもので、今のものとは手触りが違うように思います。

IMG_84491.jpg
写真5番目は、麻の生地を千葉よしのが染めた着尺を合わせてみました。これは私が注文して染めてもらったものです。千葉さんの正藍冷染は奈良時代以来の技法で、600年ほどの歴史を持つという日本式の藍の建て方が発明される以前の技法で、そのころは麻しかなかったのだから、麻で染めるべきだろうという理由で、麻で染めてもらいました。

桜の理由は、型染めの型は千葉さんが所有しているものを使うべきだろうということで、その中から選んだら、いちばん気に入った型紙がこのデザインだったのです。そのため、夏しか着られない麻なのに桜模様というチグハグなものになりました。でも、この青の桜がとてもきれいなので後悔していません。
スポンサーサイト
[ 2015/12/14 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/861-120dd455