龍村の袋帯「郁芳間道」の帯合わせ

第三千二百五十八回目は、龍村の袋帯「郁芳間道」の帯合わせです。

今日は黒留袖と色留袖に合わせてみます。昨日、紬に合わせていた帯が黒留袖に合うものでしょうか。私にとっては今日が本番で、昨日までは前座だったと思っています。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の黒留袖を合わせてみました。実際に制作したのは本社です。まだ本社が実際に制作していたころの作品です。その後、本社工場はリストラされ全品外注になるのです。もっとも京友禅は悉皆屋のシステムの中で作られるのが主流ですから、特にマイナスの意味はないです。

今はちゃんと黒留袖を着て出席しないといけない結婚式は少なくなりつつあり、貸衣装で済ますのが普通になりました。うちも黒留袖は滅多に売れません。今から自前の黒留袖を買うという人がいたら、こんな感じどうでしょうか。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の色留袖を合わせてみました。実際に制作したのは藤沢です。藤沢さんは刺繍屋さんで、これは桂昌院(綱吉の母ですよね)が作らせた袱紗の1つを、色留袖としてかなり高い精度で再現したものです。地色は個性がありますが、それもまた再現なんですね。

総刺繍で近江八景を表現した豪華な色留袖ですが、それに対しどういう帯を合わせるか悩みますよね。全て京繍という高級品に拮抗できるほど高価な帯でないといけないのかとも思いますが、それも荷が重いので、ここではすっきり間道に逃げてみました。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の色留袖を合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんです。歌舞伎の「野崎村」をテーマにしたものです。ラストシーンで男女が籠と舟で分かれて帰るところを、人物を省いて表現しています。特徴は模様の位置で、裾の低い位置だけをぐるっと回っています。歌舞伎模様ということで、ちょっと粋なところもある作品ですが、間道の帯を合わせることで粋な雰囲気を強めてみました。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の色留袖を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。扇を取り方として友禅模様を入れて箔や刺繍も加えて重加飾する一方、取り方の外側は紐だけですっきりまとめています。典型的な安田様式で、類似品が大量につくられてしまったものですが、見比べると本物は全然違います。究極の豪華モノというべき作品ですが、この間道でなんとか合っちゃいますね。

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写真5番目は、北秀の色留袖を合わせてみました。実際に制作したのは大松です。大彦の本家筋にあたる染工房です。雰囲気も大彦に似て、濃厚な色があふれるような作品ですが、粋な単彩の間道でも合いますね。
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[ 2015/11/08 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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