千切屋治兵衛の着尺「笹取更紗」

第三千二百四十六回目の作品として、千切屋治兵衛の着尺(飛び柄の小紋)を紹介します。

千切屋治兵衛の着尺(飛び柄の小紋)で、タイトルは「笹取更紗」です。笹の形を取り方として、中に更紗模様を入れたものです。「取り方」というのは、模様の容器のようなものです。2つの相反するテーマを描くばあい、一方を容器に閉じ込めてしまうことで、絵画としての矛盾を防ぐ、という友禅の意匠の手法です。

たとえば、着物の模様として、春秋両方の草花が描いてあれば1年中着られる着物として便利ですが、絵画としては不自然なものになります。そういう時に、一方または両方を取り方に閉じ込めてしまえば不自然さが無くなるという手法です。ドラマで言えばホームドラマとSFを両方作りたい場合、ホームドラマの主人公が宇宙人の夢を見てベッドから落ちるという設定にすれば両方作れるでしょう。この場合、夢が取り方で、宇宙人をその取り方に閉じ込めて、本来のドラマに影響させないようにしているわけです。そんなものですね。

取り方の代表は、色紙、雪輪、湊などですが、作ろうと思えば何でも作れますね。日本的な笹の中にエキゾチックな更紗を入れるというのも許されてしまうというのも、取り方という様式のすごいところだと思います。

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いちばん上の写真は、反物幅を写真の幅として撮ったものです。

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写真2番目は近接です。金彩の縁取りだけの白揚げの笹模様が影のように描かれています。

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写真3番目は別の場所の近接です。
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