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一の橋の付下げ(実際に制作したのは安田)の帯合わせ

第三千二百三十七回目は、一の橋の付下げ(実際に制作したのは安田)の帯合わせです。

今日は染め帯を合わせてみます。着物は友禅の作品ですが、具象的な形としては雲の輪郭だけで、それ以外は装飾文様だけですから絵画性は低いといえます。その不足している絵画性を補う意味で、友禅を中心とした染め帯を合わせるというやり方もアリですね。

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いちばん上の写真は、花也の友禅の名古屋帯「琳派流水模様」を合わせてみました。よく見ると、いちばん外側に霞の輪郭があり、その中に波(加山又造を思わせる波ですね)があり、さらにその中に色紙があって、そこに蛇籠や楓がある川の流れの風景が描いてある、という入れ子構造になっています。

林班の金屏風のような雰囲気ですが、雲だけの付下げに絵画性を加えてみました。

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写真2番目は、大松の友禅の名古屋帯「楓取り海浜模様」を合わせてみました。大きなものの中に小さな模様があるのは写生ですが、小さなもの中に大きなものがあるのは意匠です。この作品では1枚の楓の葉の中に世界が詰まっています。これも着物に不足している絵画性を、帯で補う例です。

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写真3番目は、京正の名古屋帯「瑞葉」を合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。これは友禅ではなく箔によるものです。縁蓋を切っているのでしょうが、金から銀に境界なく変わっていくようにも見え、どういう箔なんだろうとも思います。これは絵画性を加える例にはなりませんが、私はこれを選ぶかも。

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写真4番目は、京正の名古屋帯「波」を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。私が友禅の技術の参考のために無理に売らず保管している作品です。工芸における絵画的作品というのは、このようなものであるべきだと思います。完璧な形状とともに、手描き作品にあるべき揺らぎもあります。テーマはもちろん「空と海」ですね。

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写真5番目は、加賀友禅作家、木村雨山の友禅の名古屋帯「立山連峰」を合わせてみました。色が合っていると言ってしまったら、もう白内障の手術をしないとダメですね。でもその辺は、木村雨山の天才で吹き飛ばしてもらいます。雲の中に浮かぶ立山連峰の情景です。
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[ 2015/10/18 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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