2017 09123456789101112131415161718192021222324252627282930312017 11

仲井間香代子のロートン織の着尺

第二千四百四十七回目の作品として、仲井間香代子のロートン織の着尺を紹介します。

沖縄の織物で、経産省の伝統的工芸品(伝マーク)に指定されているものは多くありますが、首里に由来する花織、ロートン織あるいは花倉織などは、「首里の織物」というカテゴリーとして一括して指定されています。
http://kougeihin.jp/crafts/introduction/prefectures
を見ると、組合員数などの情報がわかります。

仲井間香代子さんは、首里に工房を持つ代表的な首里織作家の人ですが、今日紹介するロートン織のほかにも、花織など「首里織」に分類される別の織物も織っています。

首里の織物には、花織や浮織のように、他の地域でも同じ組織の織物が伝来しているものもありますが、ロートンや花倉織のように首里独自のものもあります。しかし、近年では、首里独自に伝来したものも他の地域で織られています。その場合には、表示で区別することができますが、特に花倉織については首里以外で織られる場合には「花絽織」と表示することが多いです。織物の組織を理論的に表せば「紋絽織」と書くべきでしょうね。

ロートン織は、表裏とも経糸が緯糸と組み合わずに浮いています。花織の場合、表で緯糸が浮けばその部分の裏は経糸が浮いていますが、ロートンのばあい表裏とも経糸が浮いて全く同じに見えるのです。不思議な感じがしますが、その部分は経糸が2つに分かれ、その間を緯糸が通っているという仕掛けになっているのです。

ロートン織に漢字をあてるばあい、「道屯織」と表示することが多いですが、田中さんの「沖縄織物の研究」では「両緞織」の文字をあてています。感じのイメージから「両面同じに見える」という特徴を感じ取れるので、上手い表記だと思います。

020.jpg
021.jpg
022.jpg
いちばん上の写真は反物の幅を写真の幅として撮ったもの、写真2番目と写真3番目は近接です。

たいていの人にとって、沖縄織物の魅力というのは、組織の多様性や複雑さという織物の理論ではなく、グラデーションという感覚的な美しさではないでしょうか。しかし、グラデーションの美しさというのは、組織の構造という織物の理論から生じているのであって、それは糸が浮く部分の拡大写真を見るとよくわかります。


023.jpg
024.jpg
026.jpg
織物というのは、経糸と緯糸が交わってできているものですから、私たちは織物を見るとき、経糸と緯糸が混ざった状態、すなわち中間色を見ています。上の写真の中央あたりの黄色と紫ですね。しかし、その上下の経糸だけが浮いた部分では、色は混じらず経糸の紫色だけが見えます。つまり、拡大写真の中だけでも、地の黄色と、黄色と紫の中間色、紫色の3段階の色が見えていることになり、そこにグラデーションが生じるのです。

それは、地を構成する糸が変化して紋織を形成する花織とロートンでは必然的に生じることです。ただしそれは、経糸と緯糸の色の組み合わせが上手くいった場合に限ります。下手な配色であれば、濁った中間色ができるだけです。その部分が作者のセンスで、それに失敗した作品は、技法的に難しいことをしていても芸術的ではない、ということになります。(ネットショップで安く売っている花織の帯に色が濁ったものがありますよね。)
スポンサーサイト
[ 2013/08/14 ] 各地の絣・紬 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/8-11540c00