龍村の名古屋帯「バティック」の帯合わせ

第三千二百二十回目は、龍村の名古屋帯「バティック」の帯合わせです。

今日は同系色の青を意識して帯合わせをしてみました。帯合わせをするときは、とりあえず同系色で合わせるか、補色(反対色)で合わせる考えるものです。昔の人は必ず補色で合わせたましたが、今は必ずしもそうではないですよね。

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いちばん上の写真は、重要無形文化財の要件を満たす赤いラベルの付いた久留米絣を合わせてみました。藍染は森山虎雄、手織りは田中キヨで、タイトルは「古代物語」です。森山虎雄の藍は、藍甕に60回浸けるという黒に近い濃い藍です。絣は、細い糸を使った繊細なもので、四角い形が連続するものですが、手括り・手織りの作品らしく微妙に形にずれがあります。

ずれというより哲学や物理学でよく使う「揺らぎ」ですね。その「揺らぎ」こそ、作品を手括り・手織りする目的ですから。

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写真2番目は、青戸柚美江さんの出雲織「夜空の風景絣」を合わせてみました。

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写真3番目は、十日町の紬を合わせてみました。真綿の糸を使った水色の細い縞で、縞の色糸の色は帯の色と欲似ていますが、縞なので白が混じって、濃淡関係に見えます。

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写真4番目は、牛首紬の鰹縞を合わせてみました。鰹縞というのは、「粋で鯔背な」イメージが強いという意味で大胆ですよね。どこに着て行っても江戸っ子が来たみたいで、「てやんでぇ」とか言いそうです。個性的な更紗の獣達が押さえつけてくれるといいのですが。

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写真5番目は、林宗平の古代紬を合わせてみました。「古代紬」は林宗平が自分の塩沢紬に付けたネーミングです。有栖川龍の鹿文は、林宗平作品にしばしば登場します。優れた地方文化である越後上布が、中央の文化である名物裂の真似をするのはおかしいと思うかもしれませんが、その謎は「北越雪譜」を読むとわかります。

地方の土俗的な文化に価値を認めたのは、柳宗悦の民芸思想以後であり、江戸時代の越後上布の作者たちは、京都の錦を意識して、京都の錦に負けない織物を作ろうと、同じ土俵で競争していたのです。

今回は、帯と着物で動物が重なったらどうなるか、という理由で選んでみました。どうだったでしょうか。
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[ 2015/10/01 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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