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八重山上布の名古屋帯

三千二百一回目の作品として、八重山上布の名古屋帯を紹介します。

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いちばん上の写真は、お太鼓です。沖縄の絣模様は、久留米や山陰の絵絣のように自由に作画するわけではなく、模様単位が伝承されていて、その組み合わせで模様を作ります。だから絵画的であっても絵絣ではなく幾何絣と考えられています。模様単位は、分類によって違うのでしょうが、本によって300とか600とか書かれています。

この帯の階段のようなデザインは、バンジョー(番匠、曲尺)といわれるものでしょう。個別で並んでいることもありますし、この作品のように生地全体に斜めにつながっているものもありますが、どちらもバンジョーと呼んでいるみたいですね。×の方は、「沖縄織物の研究」を見ると、模様に太さと長さの比率の違いで、雲と鋏と2通り載っていて、これがどちらかわかりにくいですが、曲尺とのセットなので、器物どうしということで鋏でしょうか。

腹文も同じなので、前姿ではこの模様の半分が横倒しになるわけです。階段状の形と×の形ですから、横倒しにしても大丈夫ですね。

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写真2番目は、近接です。色は青と茶色でお洒落ですが、これは八重山上布を代表する2つの染料である、グールと藍です。グールは山芋から取った染料で、捺染により染めます。藍は沖縄ですから琉球藍ですが、防染により染めます。染料の性質により直接染める捺染と、染めたくない部分を防染してから浸ける方法とがあるんですね。

直接染める方が便利ですが、藍は30度以上に温度をたもって発酵状態にしなければ染められないために藍甕に浸けるので、防染という面倒な技法によるのです。染めたい部分に働きかける捺染と、染めたくない部分に働きかける防染は、染色の原理として反対ですが、それが並んでいるところにこのデザインの意義があるのでしょう。

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写真3番目も近接です。バンジョーは経絣と緯絣で出来ていて、その交わるところが経緯絣になり、鋏は、一段飛ばした緯絣からできていて、交わったところが普通の緯絣になっているんですね。絣による模様表現はパズルの問題みたいですよね。

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写真4番目は、組合の証票です。品質表示があって、作者は手書きサインとハンコです。品質表示は印刷だから、品質は組合が仕切っていて、共同仕入れした糸から作家が織っているんでしょうか・・・ 作家は自分の名を印刷するほどは作っていない、ちゃんとした手織りだろう・・・  印刷と手書きの比率からいろんなことが想像できますね。

明日は、このラベルの品質表示を拡大写真で実証してみます。
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[ 2015/09/12 ] 各地の絣・紬 | TB(0) | CM(0)

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