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藤井絞の名古屋帯の帯合わせ

三千百九十九回目は、藤井絞の名古屋帯の帯合わせです。

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いちばん上の写真は、真栄城興茂の琉球美絣に合わせてみました。色については、帯の地色と同系統の青系濃淡で合わせ、模様については、華文の円形に対して対照的な直線の組み合わせにしてみました。色も形も反対にしては、ただの無関係になってしまいますし、色も形も同じにしては、ただのフォロワーになってしまいます。色を同じにしたら、形を反対にするというのが基本の考え方ですね。

着物の模様がぼけて見えるのは、写真のせいではなく絣のグラデーションです。この凝ったグラデーション表現が美絣の特長ですね。

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写真2番目は、織の会ヌヌナスのロートン織を合わせてみました。首里織として伝わる技法の1つであるロートン織は、経糸が浮いて紋織を形成する織物です。常識で考えると表が経糸が浮いていれば、裏は緯糸が浮いていそうなものですが、ロートン織というのは、裏も経糸が浮いていて表裏見分けがつかないという不思議な織物です。漢字で書くと両段織と表記することもあるのですが、表裏同じという意味なんだろうと思います。実際の構造は、経糸が半分に分けてあり、その間を緯糸が通っています。浮いている経糸はじつは密度が地の半分なんですね。

経糸が浮くという組織の特性上、意匠としては縦縞になることが多いです。そのため、上の例と同じく円形と直線の帯合わせになりました。色については、着物は青系だけでなく赤系もちょっと加わった組み合わせになっています。経糸に赤が使ってあるので、緯糸の藍色と混じって紫っぽい縞に見えますね。

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写真3番目は、結城紬を合わせてみました。百亀甲の総柄です。色は近世以前からの伝統的な藍染で、帯とは同系濃淡の関係です。模様は具象的なデザインで、円と直線の関係から離れてみました。

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写真4番目は、結城紬を合わせてみました。百亀甲の総柄です。色は焦げ茶色で、同系濃淡から離れてみました。模様も具象的なデザインで、円と直線の関係から離れてみました。

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写真5番目は、個性の強い格子の紬を合わせてみました。着物は格子も太くて大きいですし、色も絵の具のチューブから出したような茶色なので、かなり個性の強い着るのが難しそうな着物です。一方帯は、色も模様も対照的ですが、色は優しいですし、模様も優しい(絞りは箔や刺繍よりも優しさを感じる技法である)ので、着物の激しさを緩和する効果があります。

優しい帯が、激しい着物を飼い馴らしているようにも見えるので、三略にある「柔は能く剛を制し、弱は能く強を制す」状態ですね。
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[ 2015/09/10 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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