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藤井絞の名古屋帯

三千百九十八回目の作品として、藤井絞の名古屋帯を紹介します。

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いちばん上の写真は、お太鼓です。正倉院以来の格式の高い文様である華文を絞りで表現しています。絞りというのは、辻が花が流行した短い期間と、小袖に用いられた鹿の子絞りを除き、どちらかといえば庶民の染色技法です。そのカジュアルな雰囲気の技法で、格式の高い華文を表現するというところに面白みがあるのだと思います。そのちょっと不器用な面白味が、この作品の存在意義ではないでしょうか。

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写真2番目は、腹文です。折って使いますから見えるのは半分です。腹文はお太鼓の模様のほぼダイジェスト版です。華文というのは形も歴史も意義も完璧に出来上がっていて隙のない文様ですから、別の模様を差し入れる余裕はないですよね。

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写真3番目は、華文の中心部の近接です。

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写真4番目は、華文の周辺部の近接です。帽子絞りと線状の縫締絞りを併用した部分です。帽子絞りは、生地に芯になるものを入れて包み、糸で縛って圧力をかけて防染するものです。芯になるものは、昔は木、次に新聞紙を巻いたもの(巻の回数で大きさを調節する)、現在は大小さまざまの樹脂、と変わってきました。

芯を入れる帽子絞りは形は塊になりますが、芯を入れない縫締絞り線状になります。塊と線で、模様を構成しているわけですね。

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写真5番目は、華文の周辺部の近接です。線状の絞りが交差しています。意外と珍しかったりもしますね。絞りというのは模様の周囲の生地を巻き込んで加工するものですから、職人さんからすると、2つの絞りの距離が近いとか遠いとか、交差するとか、意外なところが難しかったりするようです。
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[ 2015/09/09 ] 絞り | TB(0) | CM(0)

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