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龍村の袋帯「立湧装耀錦」の帯合わせ

三千百八十五回目は、龍村の袋帯「立湧装耀錦」の帯合わせです。

今日は付下げと合わせてみます。付下げの本来の意味は、反物の生地を指定された位置で裁断すると、柄が全部上を向くように設計された着物という意味ですが、現在は反物状態で販売される訪問着を指します。ついでにいえば、訪問着というのは、大正時代ごろの百貨店による造語「訪問服」が始まりです。

反物状態で販売されている付下げは、仮絵羽状態にしなくても販売できる程度に模様のつながりが単純ということですが、現在は本来仮絵羽にいないと制作できないような複雑な意匠も、付下げとして制作されていますね。その一方で、あっさりした模様でも仮絵羽で制作され、訪問着として販売されているものもあります。これは、顧客が似合うかどうか羽織って確かめられるというわけで、制作上の理由だけでなく販売上の理由でも、訪問着と付下げが分けられることがあるということです。

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いちばん上の写真は、大羊居の付下げとあわせてみました。大羊居には龍村という習慣にしたがって、とりあえず大羊居を合わせてみました。一見、地味であっさりしたこの帯が、華やかな着物と合わさるとキラキラしてきますね。

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写真2番目は、野口の付下げと合わせてみました。実際に制作したのは岡本等さんです。岡本等さんの作品の特徴は、朱色など京友禅の伝統色を配したモダンな色彩とゴム糸目の繊細な輪郭線です。この作品は、松竹梅に菊や萩を加えたもので和風のモチーフですが、モダンなタッチで描いてもけっこう自然ですね。

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写真3番目は、野口の付下げと合わせてみました。実際に制作したのは橋村重彦さんです。橋村さんも岡本等さんと同じく、当時は野口の専属作家でした。橋村さんは岡本等さんとは反対に、輪郭線は糊糸目で、色は中井淳夫さんの仕事をしていたこともあって重い色を好んでいました。

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写真4番目は、花也の付下げと合わせてみました。小袖をアレンジした意匠で、本来訪問着で制作されるべき全体の模様ですが、製作費を節約するため付下げとして制作しました。型疋田を多用しつつ、色数も抑えた安田系の作品です。この龍村は安田刑のも合うというのを証明してみました。

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写真5番目は、一の橋の付下げと合わせてみました。扇面に御所車と松竹梅という意匠で、修学旅行のお土産みたいなベタな京友禅の意匠ですね。こういう意匠は型で安く作るといやらしいですが、糊糸目で真面目につくるとなかなか良いものです。

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写真6番目は、花也の付下げと合わせてみました。墨色の地色に白揚げのみの単彩作品です。こうして見ると、龍村の帯も単彩の仲間みたいに見えてきます。使い勝手の良い帯というのは、着物に合わせて見え方も違ってきたりするもののようです。
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[ 2015/08/26 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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