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龍村の袋帯「立湧装耀錦」の帯合わせ

三千百八十三回目は、龍村の袋帯「立湧装耀錦」の帯合わせです。

上品な意匠ですし、本金の糸もふんだんに使っていて高品質なものであることもわかりますが、作品として眺めて、存在感があるとか芸術性が高いとか言うほどのものではありません。作品として存在意義があるのでなければ、龍村の帯としての機能を果たしてくれないと困ります。機能とは、この帯を合わせることで、着物も身に着ける人も上品に見せることですね。

今日から2,3日かけて、この帯が帯合わせに力を発揮することを証明しますが、まず今日は色留袖に合わせてみます。美しいキモノの掲載でも、色留袖に合わせているので。

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いちばん上の写真は、野口の色留袖を合わせてみました。意味が分からず見ると、変な柄としか見えませんが、かつて野口が会長を務めていた祇園祭の山の飾りで、それを色留袖の意匠としたものです。織物の雰囲気を出すために、友禅の上に箔剥がし(箔を貼ってから剥がす技法)をしてふんだんに刺繍もしています。

本歌は、ローマ教皇がラファエロに下絵を描かせ、ブラッセルで織らせたものです。ヨーロッパで教会や城館のためにタピスリーが盛んにつくられるようになるより100年ほど前のものと言われます。注文主、デザイナー、職人ともに世界の一流ですから、人類の宝ともいうべきものなのですが、本来バチカンに有るべきものがなぜか流出し、出島に持ち込まれ、加賀前田家が2枚買い、京都の町衆が4枚買って祇園祭の飾りに使っているのです。もちろん国宝に指定されています。

テーマはイリアスで、マエミにいるのはパリスの父であるプリアモス王です。6枚でトロイ戦争が展開していくのでしょうが、当時は時代考証という概念が無く、意匠はギリシア風でなく中世風なので分かりにくいのです。これらについては、初代龍村平蔵も調べていて、私はそれを読んでこれを書いています。

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写真2番目は、大松の色留袖を合わせてみました。東京の大松は大彦や大羊居の本家に当たります。龍村と言えば、大彦や大羊居に合わせることが多いですから、大松にも合うはずです。

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写真3番目は、大松の色留袖を合わせてみました。松竹梅をモダンにアレンジしていますが、豪華モノですねえ。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の黒留袖を合わせてみました。すっきりした琳派の鶴で、こんな黒留袖なら貸衣装と間違えられなくていいですね。
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[ 2015/08/24 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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