東京の刺繍の名古屋帯「和楽器」

三千百六十九回目の作品として、東京の刺繍の名古屋帯「和楽器」を紹介します。

東京の刺繍作品ですが、事情があって千總から仕入れています。私にとって東京の刺繍の最高峰といえば、やはり千代田染繍です。かつて北秀で黒留袖ばかり扱っていて、価格は200万円から350万円でした。実際の作業は複数の下職によって行われており、その中でいちばん有名なのは竹内功さんでした。青汁のコマーシャルに出たこともあるんですよね。

北秀破産後は、そんな大作を注文をする会社は珍しくなってしまいました。今日紹介する作品は、そんな千代田染繍の流れを継ぐ作品ですが、おそらく千代田染繍の下職の誰かが制作したものでしょう。刺繍というのは、友禅のように設備が要らないですし、個人が自分のペースで出来ますから、中国やヴェトナムの刺繍が席巻しても、東京で意外にたくましく存続しています。作者はほとんどが主婦の副業で、好きでやっているのだろうと思いますが、だから滅びないんですね。

そのような人たちを束ねている人がいて、その人が問屋の役割をしていて、千總のような「メーカー」を通して販売することもあるのです。経済史における近世以前の問屋制手工業のようですよね。刺繍のように近世以前から進歩していない手作りの商品は、近世以前の流通システムが似合うのでしょう。

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いちばん上の写真は、お太鼓です。お太鼓には気前良く8個も楽器が刺繍してあります。見どころは個別の刺繍なので、明日近接でお見せします。

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写真2番目は腹文です。刺繍なので片側だけです。

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写真3番目は、腹文の近接です。

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写真4番目は、腹文の近接です。

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写真5番目は、腹文の近接です。
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[ 2015/08/09 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)

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