紫紘の袋帯「ポピー」の帯合わせ

三千百六十八回目は、紫紘の袋帯「ポピー」の帯合わせです。

今日で紫紘の袋帯「ポピー」を終わりにします。使い残しの画像のうちのいくつかを掲載します。

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いちばん上の写真は、岡重の付下げを合わせてみました。一見、派手で若向きの帯ですから、派手で若向きの付下げと合わせてみました。前姿に巨大な半円型の雪輪文様があって、それ以外にはほとんど無地(白揚げの小さい雪輪が数個ある)という、芸術作品みたいな大胆な模様配置です。

若向きどうしで合いそうな気がしますが、実際にはしっくりしませんね。古典的な桜の意匠がポピーと合わないのでしょうか。それ以上に色の相性の悪さも感じます。岡重の赤は、派手なようでも、やはり京都の伝統的な朱ですね。フランスのデザインに取材したというポピーの赤と比べてみると、稚貝がよくわかります。

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写真2番目は、大羊居の付下げを合わせてみました。これは意外に合ってしまいますね。上の帯合わせで感じたような違和感は全くありません。着物のテーマはチューリップとコスモスで、それにポピーが加わるわけですが、案外仲良しという感じ。京友禅と大羊居の違いでしょうか。

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写真3番目は、玉那覇有公の紅型の着尺を合わせてみました。紅型というのはもっとも帯合わせしにくい着物です。単体で見て最も美しい着物だと思うのですが、そういうものの宿命でしょうか。具体的には、余白の無い全体の模様で、色が多色、染料でなく顔料であるため色が強い、という3つの理由だろうと思います。

一方、紅型に対応できる帯の条件は、顔料より強い色ということで、友禅ではなく、織か刺繍の帯であるということ、模様どうしがつながらないように、模様の周りに余白がある意匠の帯であることです。とすれば、原色の赤を使った織物で、しかも植物文の間に白い余白のあるこの帯は適任だと思うのですが、銅でしょうか。

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写真4番目は、藤村玲子の紅型の着尺を合わせてみました。柄が細かくて色が地味でありながら、存在感のある表現は、さすが藤村玲子さんだと思います。紅型が本土で流行し始めてすぐ、本土の業者から、もっと年輩者が着られるような地見え細かい柄の紅型を作ってほしいという要望がありました。紅型というのは、はじめから高価なものだったので、どうしても販売の中心はお金のある年配層だったからです。

しかしながら、紅型を普通に色を地味にして柄を細かくすると、本土の人が憧れる紅型のイメージと離れてしまいます。外国の商品を日本人向きに使いやすくし過ぎると、ホンモノらしさが無くなってしまうという、商品開発につきものの問題ですね。ホンモノ感が十分あって、しかも制作地とちがう環境で使いやすいという商品企画は難しいのですが、藤村玲子さんの作品は、東京で着るのに合った色で染めながら、ちゃんと紅型ってわかりますよね。やはり存在感だと思います。

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写真5番目は、城間栄順の紅型の着尺を合わせてみました。これは本物の琉球藍で染めた藍型です。藍の粒子が生地に食い込んでいてけっこう重いのです。摩擦で色が落ちるのか、けっこう不安です。1970年代のものですが、当時はこういう商品としては不安な紅型があったのです。売るのは怖いですけどね。
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[ 2015/08/08 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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