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千切屋治兵衛の絽の染め帯の帯合わせ

第二千五百十回目は千切屋治兵衛の絽の染め帯の帯合わせです。

昨日の帯合わせは、一見大味に見える千切屋治兵衛(藤岡さん)の単純な構図の作品の存在意義を証明しようという趣旨でしたが、今日は、その作風が万能であることを証明してみたいと思います。

昨日は、[着物が友禅で絵画的]×[帯は単純な構図で絵画性が低い]という帯合わせを試し、着物と帯が絵画性の高いものどうしであると、模様が連続しているように見えてしまうので、着物の意匠が絵画性が高い時は、単純な意匠の帯が有用であるという結論にしました。

今日は、昨日使った2本の帯を、縞や格子の紬の着物と合わせてみます。絵画性の低いものどうしの組み合わせとなるわけですが、絵画性の高いものどうしがダメならば、低いものどうしはどうでしょうか。

気の強い人どうしが一緒にいると喧嘩になることがありますが、気の弱い人どうしが一緒にいても事件は起きないでしょう。しかし、生み出すものもまた少ないかもしれません。絵画性の低いものどうしの帯合わせも同じで、失敗することはないでしょうが、発展性のない平凡な帯合わせに終わる危険が有ります。正確に言えば、危険ではなく、危険でないのが問題ですね。

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いちばん上の写真は、「雲」の帯を夏結城の着尺に合わせてみました。夏結城は本物の結城にありそうな意匠で、全面亀甲で輪の形の飛び柄です。絵画性が低いというテーマで取り上げている雲形の帯ですが、本当に絵画性のない紬と合わせると、けっこう絵画的に見えてきます。絵画性というのもしょせん相対的なものなんですね。

帯合わせのテーマとして、帯と着物の色の関係が、白×白、白×黒、黒×黒というのがありますが、この場合はコントラストの強い白×黒で、基本の色合わせですね。

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写真2番目は、「雲」の帯を「秦荘花織」というラベルの付いた格子と一部糸の浮いた着尺に合わせてみました。「秦荘」という地名は町村合併により現在の地名にはありませんが、伝統的に近江上布の産地です。

絵画性の全くない格子の着物と、絵画性の少ない雲形の帯との帯合わせですが、やはり上の写真と同じように、単純な雲形が、とても絵画的に見えて、良い組み合わせとしか言いようがありません。色の関係については、着物が白と黒とわずかな赤の格子ですから、白×白とも白×黒ともいえ、白黒の格子が万能だとわかります。

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写真3番目は、「波」の帯を東郷織物の夏大島と合わせてみました。東郷織物は大島紬の代表的な織元で、これも本場モノですが、格子なので価格はリーズナブルです。

帯合わせは、色については黒×黒で、とても個性的です。今日の実験の予想は、「絵画性のないものどうしは失敗しない、その代わり退屈なものになる危険がある」ということでした。しかしこの状態を見ると、その予想は間違いですね。模様が単純でも色で個性が生まれます。色だけで十分に自己表現ができるということですね。

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写真4番目は、「波」の帯を「秦荘花織」というラベルの付いた格子と一部糸の浮いた着尺に合わせてみました。ここに至るまで、写真は載せないですが、多くの帯合わせをしていて、2番目の写真で一度使った着尺をまた使う必要はなかったのですが、撮り終わった写真を眺めてみると、これがいちばんよかったので、やむなく使いました。「秦荘花織」の「白と黒とわずかな赤の格子」というパターンが万能なんですね。

写真3番目の帯合わせは個性的でかっこいいですが、「粋すぎる」「強すぎる」という気もします。しかし、この帯合わせは個性がありながら「・・・すぎる」ということはな居です。今日のいちばんですね。
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[ 2013/10/17 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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