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一の橋の付下げ「正倉院螺鈿華文」の帯合わせ

三千百四十八回目は、一の橋の付下げ「正倉院螺鈿華文」の帯合わせです。

今回の倉部さんの付下げは、私の意思で作ったもので、すごく思い入れがありますから、ついたくさんの帯合わせをしてしまいました。今日でもう終わりにしますが、最後に使い残した画像を紹介します。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「錦秀遺宝文」を合わせてみました。反っくり返った鹿があるので、平家納経がテーマだとわかります。福島正則が平家納経を修復したときに、俵屋宗達が実際の作業を担当し、見返しに描いたものです。元は平安時代の作であり、そのうち宗達が直した部分に取材したということは、王朝文化と琳派の初めてが混ざった状態ということになるのでしょうか。それで着物は正倉院ですから、何百年かずつ間をおいて、日本の美術史が歩いているような感じですね。ですね。

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写真2番目は、龍村の名古屋帯「平泉遺宝文」を合わせてみました。タイトルに「平泉」とあるので、中尊寺金色堂がテーマだとわかります。堂内にある国宝の金銅華鬘の1つを、ほとんどそのまま織りで表現したものです。上の例で、平清盛の厳島神社を取り上げたので、奥州藤原氏の中尊寺も取り上げてみました。龍村も対になるようなタイトルを付けていますね。

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写真3番目は、しょうざんの徳田義三ブランドの1本「花兎文」を合わせてみました。名物裂の「角倉金襴」に取材したものです。金の地色に金糸で模様を表現し、微妙な色の違いと糸の形状の違いによる凹凸だけで作画しているという、いかにも徳田義三というクリエイター的図案家の作品だなあと感じさせるものですね。

着物の模様も金色のみ、帯も金色のみということで、色数を抑えて、内容芳醇でありながらすっきりした帯合わせです。

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写真4番目は、じゅらくの「帝王紫」シリーズの1本を合わせてみました。貝紫の再現でも有名な吉岡常雄は、じゅらくと組んで作品を発表していましたが、そのときのブランドが「帝王紫」です。ローマの皇帝もインカの皇帝も貝紫で染めたマントを着ていたという故事にちなんだものです。

これはごく初期のまだ吉岡常雄の生前のものです。下絵も本人のものでした。いまでも、じゅらくの「帝王紫」シリーズは続いていますが、いまさら吉岡常雄のイメージと結びつけて考える人もいないでしょうし、マニアが欲しがるような感じではないですよね。

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写真5番目は、大羊居の名古屋帯「楽園」を合わせてみました。今回初めて染め帯で合わせてみました。色彩も絵画的展開にも乏しい着物なので、友禅の帯を合わせて色彩と絵画性を補ってみました。さすが大羊居で、西陣の袋帯にも負けない存在感がありますね。いろも紫に対して青で、刺激的です。
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[ 2015/07/19 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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