一の橋の付下げ「正倉院螺鈿華文」の帯合わせ

三千百四十五回目は、一の橋の付下げ「正倉院螺鈿華文」の帯合わせです。

今回の付下げは、正倉院御物の螺鈿箱に取材したものですから、意味的な関連性を重視して、同じ正倉院模様の帯を合わせてみました。

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いちばん上の写真は、紫絋の袋帯「臈纈花鳥文」を合わせてみました。タイトルは「臈纈・・・」ですが、実際には、挟纈、刺繍など正倉院に伝わるすべての染織品に取材した帯です。

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写真2番目は、大西勇の袋帯「正倉院の合子」を合わせてみました。正倉院御物である「銀平脱の合子」と呼ばれる碁石の容器に取材したものです。本歌は銀平脱という技法で作られています。木を彫って箱にしたのではなく、木をテープ状にして何重にも巻いて箱にして、銀を彫って作った模様を貼り付け、その上に漆を厚く塗って、再び削り出すという、とんでもなく面倒な技法でつくられています。手間もコストもかかりすぎて、国家事業としてしか作れなかったために、古代の正倉院にしかないんじゃないでしょうか。

模様は、現代人でさえエキゾチックと感じる象と鸚哥の2種類があって、それで聖武天皇が碁をしていたと思えば、古代ってすごいなあと思います。

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写真3番目は、大西勇の袋帯「正倉院臈纈屏風文」を合わせてみました。いちばん上の写真の帯は、名前だけの「臈纈」ですが、こちらは純粋な臈纈作品である「臈纈屏風」に取材したものです。象がちょっと不恰好な素朴な形ですが、これが古代の臈纈のタッチですね。古代の臈は蜜蝋なので、聖武天皇が亡くなって蜂蜜を食べる人がいなくなるとともに、日本には臈纈はなくなりました。復活するのは大正時代です。

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写真4番目は、坂下織物の袋帯「御門綴」シリーズの1本「正倉院華文」を合わせてみました。一見、正統な正倉院文様に見えますが、じつは正倉院にある螺鈿や染織などあらゆるデザインをコラージュして作り上げたものです。不自然に見えなければ、図案家の手腕ですね。

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写真5番目は、龍村の名古屋帯「薫雅」を合わせてみました。異国の鳥が優雅に飛ぶ、おおらかな正倉院文様の代表みたいなイメージです。普通の着物をパーティー着にしてしまう高級感のある帯ですね。申し訳ないですが、この帯は、写真を撮ってから今日掲載するまでの間に売約済になっています。
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[ 2015/07/16 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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