花也の「蝋たたき」または「撒き蝋」の着尺の帯合わせ

三千百三十七回目は、花也の「蝋たたき」または「撒き蝋」の着尺の帯合わせです。

今日は綴の名古屋帯を合わせてみました。綴の帯は、単衣用として使うこともできます(というか、単衣用として使うとかっこいい)。綴には地だけが綴組織で、模様は絵緯糸によるものもありますが、今日紹介するのは、模様も綴の技法で表現した純粋な綴、すなわち爪掻綴といわれるものです。

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いちばん上の写真は、清原織物の爪掻綴の名古屋帯です。綴の産地は、昔は西陣とは別に御室に有ったとされていますが、今は御室と言えばオムロン発祥の地としての方が知られていますね。そのオムロンももう御室にはありません。清原織物の工房は現在は滋賀県にあります。ちゃんと国内で昔通りの技法で制作している無か工房で、作品には本来の紫のラベルが付いています。

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写真2番目は、清原織物の爪掻綴の名古屋帯です。普通の織の技法は、色が変わるときに不要な色は裏に潜りますが、綴の技法は、色が変わるときに糸が引き返します。そのために自由に絵画的な表現ができ、絵が複雑になっても重くならないのですが、その一方、縦一列に色が変わるような図案だと、そこに断裂が生じ、裂として成り立たなくなってしまいます。

それが綴組織の欠点で、意匠的な限界になるのですが、そういう目でこの作品を見てください。水平に広がるデザインで、縦一列に色が変わらないようになっています。雲の凹凸もじつは、断裂を避けるためなのです。綴の欠点をデザインでカバーしている例です。

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写真3番目は、清原織物の爪掻綴の名古屋帯です。金糸を多く織り込んだ作品で、そのためフォーマル感があります。上の作品に比べると、自由にデザインしているように見えますが、色紙が斜めに置いてあることも意味が有ります。真っ直ぐ置くと縦一列になってしまい断裂が生じてしまうんですね。

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写真4番目は、細見華岳の綴の名古屋帯「光彩」です。綴の人間国宝だった細見華岳の作品ですが、生前に伝統工芸展に出品していた作品は、みんなこんな感じの抽象的なものでした。一般の問屋向けには、具象画的なものもあったようですが、私は伝統工芸展らしい作風にこだわって仕入れていました。

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写真5番目は、上の作品とは対照的な伝統的なデザインの爪掻綴の名古屋帯です。意匠が古い気もしますが、それも味わいですね。
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[ 2015/07/08 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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