花也の単衣~夏の刺繍の名古屋帯「投取横波京変繍」の帯合わせ

三千百三十三回目は、花也の単衣~夏の刺繍の名古屋帯「投取横波京変繍」の帯合わせです。

今日は付下げに合わせてみました。昨日は紬に合わせましたから、付下げにも合わせて、カジュアルからフォーマルまで用途のすごく広い帯ということを証明したいです。

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いちばん上の写真は、花也の付下げに合わせてみました。変わり織の絽の生地で、市松模様が浮いて出るように見える生地を使っています。その市松に見える地紋を利用して、友禅で四角い取り方を配した模様を付けています。取り方の中には、沢瀉や撫子など初夏~初秋の草花が描かれています。

着物というのはたいてい草花が描かれているものですから、帯は草花のない波だけ、というのは使いやすいです。また着物の四角い取り方に対し、帯は横方向の波の曲線というのもまた、良い取り合わせだと思います。

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写真2番目は千切屋治兵衛の絽の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。葉だけの菖蒲ですが、花が無いので植物の種類がわからず、芦のような水辺の植物に見えます。わからないというのは便利なものですね。

菖蒲ですから、周囲は水辺でしょうが、水や波は描かれていません。その水の役割を波が受け持つことになり、良い組み合わせと言えます。着物で、菖蒲の周りに波が描かれていたら、帯合わせには邪魔だったでしょう。さすが中井さんの意匠で、ちょっと余剰よりちょっと不足を選んでいますね。

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写真3番目は千切屋治兵衛の絽の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは市川和幸さんです。クリーム地に、しだれ手風になびく柳の枝と葉です。柳はたいてい水辺に生えているものですから、帯の横波とセットで、絵が完成します。帯合わせの理想は、絵として未完成な着物と帯が、出会ってようやく絵として完成することですね。滅多にできないですが。

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写真4番目は花也の変わり織の絽の付下げを合わせてみました。経糸がよろける立絽で、ちょっとカジュアルな雰囲気がありますね。テーマは葡萄です。帯は黒に見えますが、じつは濃紺です。着物は墨色ですが、白い長襦袢が透ければチャコールグレーに見えるかもしれません。濃い地色どうしの組み合わせになりますね。

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写真5番目は千切屋治兵衛の絽の付下げを合わせてみました。実際に制作したのは中井淳夫さんです。斜め取りの杜若で、元絵は琳派の蒔絵でしょう。単純化された杜若の花は、元絵と同じく金だけで平面的に表現されて、強い装飾性を感じます。
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[ 2015/07/04 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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