花也の単衣~夏の刺繍の名古屋帯「投取横波京変繍」

三千百二十九回目の作品として、花也の単衣~夏の刺繍の名古屋帯「投取横波京変繍」を紹介します。

花也のオリジナルの生地に対して、友禅と刺繍をした名古屋帯です。花也といえば、糊糸目の美しさがウリですが、別の作風にもチャレンジしていて、この作品もその一点です。このような刺繍を主役にした作品は、2015年2月7日、2月19日、5月15日にも紹介していますので、このブログでは4回目ですね。4回目にして夏物の登場です。

生地は花也がオリジナルとして織らせたもので(最低ロットは30反で、それ以上発注すればオリジナルが作れるそうです)、沖縄の織物のような花織と絽織が横段状になっています。一見すると、沖縄の珍しい織物か作家の創作織物に見えますが、こういうのも染下地として機械で織ってくれる白生地メーカーがあるんですね。

その生地に対して、友禅で抽象的な波の模様を描き、さらにその友禅をほとんど覆うように刺繍をしています。刺繍は、京都でしていますから京繍ですが、普段あまり見ることのない変繍です。

IMG_57121.jpg
いちばん上の写真はお太鼓です。生地は、絽織と花織がセットになって横段状になっています。その間に抽象的な波の模様が友禅と刺繍とで表現されています。お太鼓では波は3段ですね。

IMG_57271.jpg
写真2番目は腹文です。写真は腹文の全体で、名古屋帯として仕立てる時は半分に折りますから、実際の見えるのは半分です。お太鼓では、横段の地模様に対し並行な横段の波の意匠でしたが、構造上、腹文では地模様は縦方向になり、横波の模様は直角に交わるようになりますね。

IMG_57181.jpg
写真3番目は、お太鼓の近接です。変わり刺繍のパターンがわかるように近接してみました。明日は、この刺繍部分を拡大してもっと分析してみますが、織物のように糸が経緯に交わるよな刺繍が多く、変わり織にも見えます。

しかし、生地は元々変わり織ですから、変わり織に見せかけた刺繍と元々の変わり織が混ざって見え、だまし絵的な効果があります。それこそがこの作品のテーマだと思います。
スポンサーサイト
[ 2015/06/30 ] 繍箔 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/694-7b5e8d96