一の橋の付下げ「柳に蹴鞠」の帯合わせ

三千百二十六回目は、一の橋の付下げ「柳に蹴鞠」の帯合わせです。

フォーマル方向かカジュアル方向か、和モノかエキゾチックものか、たとえどんな帯を合わせるにしても、この着物の帯合わせの基本方針は2通りですね。春の夢のような雰囲気をこのまま続けるか、目覚まし時計を鳴らして起きるかです。

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いちばん上の写真は、織悦の袋帯「彩悦錦」シリーズの1本「亀甲菊枝文」を合わせてみました。春を思わせる瑞々しい柳と秋を思わせる菊枝は逆じゃないかと言われそうですが、夢のような曖昧な雰囲気を続けさせるてくれる相手として選んでみました。帯の本来の地色は青なのですが、地の全体に緯糸として平金糸が織り込まれていて、地色は青と金の中間の色という曖昧で不安定な状態になっています。それが夢の続きのように見せているんですよね。

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写真2番目は織悦の袋帯「光琳水」を合わせてみました。柳といえばたいていは川端に生えているものですから、帯の意匠には水が省略されていると考えて、帯で水の意匠を補ってみました。織悦の色は透明感が有って、曖昧なところがありませんから、目覚まし的なところがありますね。しかし色自体は紫系が共通ですし、よく調和しています。爽やかな目覚めと言ったところでしょうか。

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写真3番目は、北村武資の袋帯「連珠七宝文」を合わせてみました。北村武資の経錦の帯で、複雑な模様なのに古代の織物のように経糸の浮沈だけで模様を表現しています。ただ赤い色の模様だけが現代の西陣らしく絵緯糸による表現になっていて、そこだけ糸が浮いていますから、アイキャッチ的な効果があります。北村武資は経錦の人間国宝ですが、現代の西陣の要素も1か所だけ入れているんですね、

今回選んだ理由は色です。地色が珍しい黄色(辛子色)なのです。黄色って着物にも自動車にもあまりないですよね。不思議な感じということで、夢の途中の仲間に入れてみました。

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写真4番目は、帯屋捨松の袋帯「牡丹唐草文」を合わせてみました。牡丹唐草は名物裂の金襴手として、いちばん有名なものですね。それを太い引き箔の糸でストレートに表現したものです。糸自体は本金でなくポリエステルフィルムを使っていますが、これは耐久性を考えたものでしょう。表面の擦れる位置にある太い引き箔の糸が和紙の本金だったら、着付師さんが嫌がると思います。

その代わり地がすごく凝っていて、細い本金の引き箔の糸を多用し、ピンクと白(銀)の不思議なグラデーション効果を演出しています。そのグラデーションのために、夢の途中の仲間に入れてみました。
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[ 2015/06/27 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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