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一の橋の付下げ「柳に蹴鞠」の細部

三千百二十五回目は、一の橋の付下げ「柳に蹴鞠」の細部です。

今日は、蹴鞠以外の場所に近接してみました。

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いちばん上の写真は、柳、雲の輪郭、グラデーションを撮ってみました。この作品の魅力は、主役の蹴鞠ではなく背景の脇役たちが作る雰囲気にありますね。

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写真2番目も、柳、雲の輪郭、グラデーションを撮ってみました。柳の黄緑が瑞々しいです。

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写真3番目は、柳だけが見えるように撮ってみました。柳の葉に濃淡のような染めムラのように見えるのは、地紋のためです。地紋は、生地に厚いところと薄いところがあるわけですから、染料の含みが違うのでしょうか、あるいは、生地に凹凸があるので、光の反射が違い、それが色の違いに見えるのでしょうか。

地紋による色の濃淡は、シンプルな意匠を内容の濃いものに見える効果がありそうですね。

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写真4番目は、地紋がわかるまで近接してみました。鹿と草花です。地紋のある生地をグラデーションにすると、生地の凹凸による染料の含みの違いや、光の反射が違いによってグラデーション効果が増幅されます。グラデーションによる色差も大きくなり、領域も広くなるみたいですね。グラデーション表現を主役とするこの着物には、このような複雑な地紋のある生地が必要だったということです。

私は、初めてこの作品を見たとき、すごく気に入ったのですが、刺繍が手刺繍かミシン刺繡かという点は妥協したくなかったし、赤い疋田の色は、作品を春の夢のように見せるという点では貢献しているものの、商品としては年齢的に厳しいので、小豆色に替えたいと思っていました。紫と小豆色というのは、大人っぽい色気があるのです。

しかしこの地紋の白生地がなかったのです。普通の生地では、グラデーション領域が普通になり、これほどの効果は上げられません。いろいろ考えた結果、私はグラデーション効果の方を選んだのです。作品も人と同じで、正しい性格に変えてやる、なんて思っちゃあいけませんね。今は、一の橋の会長が最初に発想したままのを手に入れて良かったと思っています。
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[ 2015/06/26 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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