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一の橋の付下げ「柳に蹴鞠」

三千百二十三回目の作品として、一の橋の付下げ「柳に蹴鞠」を紹介します。

一の橋といえば、千切屋治兵衛、京正、花也と同じく、ホンモノの糊糸目をウリにしていて、職人の技を見せつけるようなものが多いですが、この作品は正反対で、職人の個別の技よりも、意匠のおおらかさ、色の優しさを感じます。野口が上品になったような感じですね。

これは会長自身の指示による作品ということです。普通の社員が作ると一の橋らしいものしか作れませんが、会長は誰にも気兼ねが要らないので、一の橋らしくないものもつくれるのでしょうね。

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いちばん上の写真は、前姿(マエミ+オクミ)です。1つ1つのモチーフが大きくて、種類が少ない場合(柳と蹴鞠の2つだけ)、全体としておおらかな雰囲気になるように思います。また、ぼかし(ようするにグラデーション効果ですよね)を多用すると、色どうしが優しく馴染み、それもおおらかさに貢献するようです。

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写真2番目は後姿です。おおらかさを感じる要素としては、柳も貢献していますね。風になびく柳だからおおらかなので、狩野永徳の屏風みたいに力強い松の枝であれば、全く反対かもしれません。

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写真3番目は袖です。雲には、一応、糸目による輪郭線があります。輪郭線とグラデーション表現という、本来相反するものが併存しているのが珍しいですね。私であれば、くっきりしたところは糸目による輪郭線、曖昧にしたいところは暈しというように使い分けると思います。両者を併用するなんて思いつかないです。

絵画としてみれば、鉛筆でくっきり輪郭線を描きつつ、水彩絵の具でぼかすという表現はありますよね。その描き方を染色に応用したということでしょうか。

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写真4番目は胸です。いちばん上の写真で、オクミの反対側に少しだけ柄が写っていますが、それが衿の柄で、この胸の柄につながります。上半身の柄が生地の縫い目を越えてつながると実質的に訪問着になりますね。
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[ 2015/06/24 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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