千切屋治兵衛の付下げ「小付けリング」の帯合わせ

三千百八回目は、千切屋治兵衛の付下げ「小付けリング」の帯合わせです。

今日は染め帯で合わせてみます。友禅という技法は、多色性と絵画性が高いというところが長所ですから、金糸の刺繍のみの倉部さんの付下げに対しては、色彩と絵画性・物語性を補う帯合わせになりがちです。

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いちばん上の写真は、加賀友禅作家・中町博志の友禅の名古屋帯「重陽」を合わせてみました。染めの帯物を合わせるということを思い切り意識して、もっとも色彩と絵画性にあふれた帯を選んでみました。反対物で補うという考えが強すぎると、異質すぎて乖離するということがよくわかりますね。

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写真2番目は、北秀の刺繍と箔の塩瀬地袋帯を合わせてみました。上の例と反対に、金銀糸の刺繍と金彩だけ、模様も抽象的な、同質のものどうしで合わせてみました。模様も絵画的とは言えませんが、適度に面白味もありますね。他人に勧めるとしたら、こんな帯合わせがいいかなあというところ。

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写真3番目は、花也の友禅の名古屋帯「湊取り琳派松梅」を合わせてみました。このような鋭角の三角形の取り方は、江戸時代の小袖の意匠にもあって、所蔵する博物館の学芸員が「湊取り」を名付けています。いちばん上の例と2番目の例の中間を狙ってみました。適度な色彩、適度な絵画性です。しかし鋭角三角形の取り方のおかげで、十分に個性を感じます。

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写真4番目は、一の橋の友禅の名古屋帯「薬玉」を合わせてみました。これも、いちばん上の例と2番目の例の中間を狙った例です。色彩は抑えられていますが、絵自体の存在感はありますね。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の友禅の名古屋帯「松重ね」を合わせてみました。実際に制作したのは中井亮さんです。中井淳夫さんの甥ですね。元絵は乾山の陶器の筥です。これも、いちばん上の例と2番目の例の中間を狙っています。乾山のデザインですから、シンプルながらデザインとしては秀逸ですね。十分な余白がとってあるという点では、着物との同質性も感じます。
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[ 2015/06/09 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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