千切屋治兵衛の付下げ「小付けリング」の帯合わせ

三千百六回目は、千切屋治兵衛の付下げ「小付けリング」の帯合わせです。

今回の付下げは、色は金糸だけですから最小限度ですし、意匠はリングですから斬新ではありますが、小さいですし、そのリングは散在するだけで物語として展開することはないですから、色彩にも絵画性にも乏しいといえます。

そういう着物に対する帯合わせは2通りですね。1つは、着物に不足している色彩と絵画性を帯で補うことです。もう1つは、着物には色彩と絵画性が不足しているのではなく、作者の意思であえて排除しているのだと考えて、その意思を尊重し、帯にも色彩や絵画性のないものを選ぶことです。後者の帯合わせは、近年支持者の多い「無地系のコーディネート」にも通じますね。

今日は間道や横段の帯を合わせて、着物の世界観を大事にします。

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いちばん上の写真は、「おび弘」の袋帯を合わせてみました。呉服屋は「おび広」といわれてもピンときませんが、池口と言われればすぐわかりますね。証紙番号は607で、池口の時代と変わりません。水色地に絵緯糸で曲線模様を表現しています。金糸は本金の平金糸で、モダンな意匠に見えますが、技法的にはもっとも伝統的な手織りの西陣の帯ですね。

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写真2番目は、龍村の袋帯「海老殻間道」を合わせてみました。名物裂の1ジャンルに間道があるのですが、龍村の間道の多くは残念ながら「平蔵」ブランド、すなわち高島屋の専売となっていて、定価でしか買えません。(外商を通すと1割引きまで交渉できるそうです)。「海老殻間道」は「たつむら」ブランドで自由に売買できる数少ない間道です。

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写真3番目は、河村織物の袋帯「栄昌綴」のシリーズの1本を合わせてみました。横段に七宝繋ぎ文様を合わせた意匠です。地は綴組織、七宝繋ぎ文様は絵緯糸による表現で、裏に渡り糸があります。西陣手織協会の「西陣手織の証」つき。河村織物のばあい、中国で手織りしたものは「西陣」の言葉はなく、ただ「手織り」と書いた証紙が貼ってあります。

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写真4番目は、織悦の袋帯「印度更紗段文」を合わせてみました。織悦の横段模様シリーズは、どんな着物にもあって使い勝手が良く、よく見ると意外にエキゾチックな模様もついていて面白いのですが、もっともリーズナブルなシリーズでもあります。ただ、定価は安いのですが、その反面、ネットの安売りは出にくいようですね。

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写真5番目は、織悦の袋帯「能衣間道」を合わせてみました。別に禁忌を犯しているとは思わないですが、良いとか悪いとか批評してもしょうがないような気もしますねえ。

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[ 2015/06/07 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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