花也の染めと刺繍の帯「蹴鞠」の帯合わせ

三千八十五回目は、花也の染めと刺繍の帯「蹴鞠」の帯合わせです。

染めと刺繍の名古屋帯ですから、合わせる着物は紬と小紋(染の着尺)です。今日は紬に合わせてみます。

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いちばん上の写真は、弓浜絣と合わせてみました。弓浜絣というのは、北九州と山陰と四国の一部に広がる木綿の絵絣文化の1つです。木綿の絵絣の文化は、江戸時代の後期に久留米に始まり、婚姻などを通じて山陰などに伝搬しました。明治以後、工場を建てて産業化し、やがて滅んだ地域もありますし、産業化に失敗し現在まで手仕事として続いている地域もありますし、1度滅んで最近になって美大を出た女性が復活させた地域もあります。

因幡や伯耆の国というのは砂地があって木綿栽培に向いていたために、江戸時代中期から木綿が生産されていたようです。そこに藍染と絣の技術が加わって、木綿の絵絣の文化が栄えました。弓浜絣の特長は、絵画性の高い図案を緯絣だけで表現していることです。緯絣だけというとレベルが低そうですが、そこに平明な美があることに気づいていて、あえて経緯絣へと進化させないのでしょう。その代わり図案の面白さという点では進化していますね。

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写真2番目は、秋山真和の「綾の手紬」と合わせてみました。帯の地色に合わせて、緑系の紬を合わせてみました。緑色って珍しいですね。秋山真和のお父さんは、戦前に沖縄で織物の指導をしつつ、沖縄織物の伝統を取り入れて「琉球古典紬」というネーミングで創作活動もした人です。秋山真和さんも沖縄織物の技術と文化を引き継いでいますが、宮崎県綾町を拠点に「綾の手紬」というネーミングで活動しています。

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写真3番目は、郡上紬に合わせてみました。手紡ぎ真綿糸を草木染して手織りするという、伝統工芸愛好者が求める条件がそろった紬です。でもそれだけでなく、どことなく洗練されていて都会的なところも人気の理由なのだと思います。

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写真4番目は、「織の会ヌヌナス」のロートン織を合わせてみました。ロートン織は、沖縄の織物の中でも、宮廷の有った首里で織られていた織物です。生地の表裏共に経糸が浮いているという、ちょっと不思議な織物です。織の組織は同じでも、作家によって作品の雰囲気は違います。これは「織の会ヌヌナス」によるものです。

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写真5番目は、結城紬を合わせてみました。かつての重要無形文化財の証紙のある手紬真綿糸をつかって地織したものです。縞結城といわれるもので、縞自体は幅が広いのですが、同系色なので大胆ではないですね。青系のグラデーションなので鰹縞ということになるのでしょうが、細い縞も併用していて、むしろ個性の緩和をしています。
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[ 2015/05/17 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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