一の橋の付下げ「金彩孔雀唐花」の帯合わせ

三千八十回目は、一の橋の付下げ「金彩孔雀唐花」の帯合わせです。

今日は友禅染の名古屋帯を合わせてみました。倉部さんの作品は、箔と刺繍だけで友禅を使っていませんから、絵画性、物語性には欠けます。そのために友禅の帯を合わせて絵画性、物語性をプラスするという発想の帯合わせもできます。

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いちばん上の写真は、大羊居の名古屋帯「舞踏会」を合わせてみました。舞踏会の会場のシャンデリアを模様にしたものです。かつて大彦の訪問着として、同じタイトルで複数のシャンデリアを描いたものが作られたことがあります。舞踏会の会場の装飾品の1つを描くことで、西欧の貴族やその生活を連想させるという作品でした。

この帯はそのダイジェスト版ともいうべきものでしょうか。インド原産の孔雀と西欧の貴族では、国も文化もずれていますが、エキゾチックというテーマでまとめるばあい、この程度のずれが有った方がテーマが縮こまらなくていいですね。

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写真2番目は、大羊居の名古屋帯「更紗遊苑」を合わせてみました。これもエキゾチックというまとめですね。更紗と孔雀はインド原産どうしですから、インドの花鳥という組み合わせになります。しかしこのばあいなによりも、金色しかない着物に対して、友禅の多彩な色をプラスしたということが大事だと思います。

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写真3番目は、大羊居の名古屋帯「寿桃」を合わせてみました。この帯合わせも、テーマよりも色をプラスすることに意義がある帯合わせですね。友禅染は、絵画性、物語性だけでなく小袖を多彩にしたとも言えますね。

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写真4番目は、秀雅の名古屋帯「裂取更紗」を合わせてみました。実際に制作したのは、千ぐさとのことですが、もしかしたら「千ぐさ系」ともいうべきもの(元職人とか下職とか)かもしれません。名物裂というのは、裂をコレクションする文化です。人間にはモノを集めるタイプと集めることに関心が無いタイプの2通りありますね。「私は旅行が趣味でモノは集めない」なんていう人でも、「あと何か国で世界の国全部行ったことになる」なんて思うとき、その人はやはり集めるタイプなんだと思います。

名物裂という文化は日本独自のものですが、そのおかげで中国やインドの歴史的な裂が、現地でも無いような良い状態で保存されたので、世界に貢献していますね。更紗の裂は、江戸時代はあまり茶道で使われなくなったために、かえって裂の状態でよく保存されているようです。かつて仕覆だったものが展開された状態で保存されていたりしますね。この帯は、そんな更紗裂を並べた意匠です。昔からあるデザインのパターンですが、最初に考案した人は、コレクションを並べて見せたかったんでしょうね。

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写真5番目は、秀雅の名古屋帯「レース模様」を合わせてみました。実際に制作したのは安田です。これは昔私が更紗として紹介したら、読者の人からレースではないかと指摘されたものです。まさにそのとおりで、レースの角のところを素直に意匠に取り入れているんですね。

安田の友禅は、色も少なく上品なだけのように思いますが、このぐらいの面積になると、やはりすごい迫力で西陣の袋帯にも負けませんから、付下げ相手でも大丈夫ですね。
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[ 2015/05/12 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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