野口の振袖「瀧模様」の帯合わせ

第二千九百九十四回目は、野口の振袖「瀧模様」の帯合わせです。

野口の振袖「瀧模様」の帯合わせを考えてみます。振袖を着る年齢の家族がいない方にとっては、役に立たない事例ではありますが、極彩色の着物に対する帯合わせと思えば、派手な訪問着を着るときにはありうる事例です。

着物が極彩色であるばあい、帯の色と着物の色を反対色で合わせおうと思っても、いずれかの色は同じになってしまいます。また、同系色で合わせようと思っても、いずれかの色は反対色になってしまいます。テーマでまとめるのが難しいのです。そういうときは、色で無い色であり、かつ華やか色である金色を合わせるでしょう。今回もそこから合わせてみます。

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いちばん上の写真は、織悦の袋帯「東大寺華文」を合わせてみました。正倉院時代の唐花文です。唐花文というのは主文と副文2つのモチーフが並んでいる模様です。元は同じぐらいの大きさの2つのモチーフが並んでいたのでしょうが、やがて一方だけが肥大化し、主・副の差がある模様になりました。(この後、主題が膨張しすぎて破裂して散し模様になり、その後、凝縮し始める。デザインも輪廻するのである。)

普通は主文を主役にするものですが、この作品は主文は途切れていて、副文が中心に来ています。主要な模様を途切れさせることで、模様が帯の横幅にさらに広がっていると感じさせ、デザインを縮こまらせない効果があるのでしょう。ドガの競馬の絵の途中で途切れている馬と同じ効果ですね。実際にお太鼓柄の帯には、模様が帯の幅と長さにお行儀良く収まりすぎてつまらなく見えるものがあります。

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写真2番目は、大西勇の袋帯を合わせてみました。これも金地の帯ですが、極彩色の模様がついています。しかし模様の大きさが細かく着物の模様の大きさと重なりませんから、同質すぎる感じはありません。

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写真3番目は、織悦の袋帯を合わせてみました。「彩悦錦」という唐織のように模様糸が浮いて見えるシリーズです。金地ですが、模様の色は着物と同じ極彩色、さらに模様のテーマも着物と同じ桜です。金地を使うことで帯と着物の境界はくっきりしていますが、模様の色とテーマは同質にして、色とテーマの数を増やさない工夫をしてみました。

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写真4番目は、かのう幸の袋帯「天と地」を合わせてみました。初めて金地の帯を離れてみました。瀧の青が印象的なので、わざと帯でも似た青があるのを選んでいます。瀧に対する雲すなわち水に対する風です。仕掛けしすぎ?
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[ 2015/02/14 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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