2017 09123456789101112131415161718192021222324252627282930312017 11

「鶉」の帯留を帯に合わせると想定してみる

第二千九百八十二回目は「鶉」の帯留を帯に合わせると想定してみます。

昨日の予告通り、柿右衛門を参考に鶉と植物文を合わせてみます。過去の芸術作品や工芸品の模様の組み合わせを参考にするということはよくあることです。私はそのような組み合わせをしている人を見たら、この人は美術史をよく研究しているんだなあと尊敬します。

IMG_3911.jpg
いちばん上の写真は、花也の友禅の名古屋帯を合わせてみました。市松取りで、中に楓や萩が描かれています。一見秋草ですが、よく見ると橘の花のような春系も潜ませてあるようです。写生のように、鶉が秋草に隠くれているところを再現するという手もありますが、ここでは意匠的につくってみました。

IMG_3908.jpg
写真2番目は、花也のダンマル描きの名古屋帯を合わせてみました。描かれているのは苧環で、これは春の花ですね。ダンマル描きというのは、蝋染と同じで半防染効果があります。それを利用して写生的な表現が可能になるのですが、この作品については情緒はあるが地味、という印象です。

苧環については、光が特に当たっているところは金彩が使ってあって、それが控えめながらポイントになっています。鶉も金色ですから、色彩的にも調和して、上品に華やかになってくれると思います。帯留を使うことによるプラス効果が大きい帯ではないでしょうか。

IMG_3905.jpg
写真3番目は野口の友禅の名古屋帯を合わせてみました。辛子色と濃紺と濃紫という野口3原色ともいうべきイメージカラーが使われた、いかにも野口な作品です。野口の配色の上手さは、派手にならずに華やかにできることです。そのための武器が、辛子・濃紺・濃紫という野口3原色で、そのおかげで年輩者でも華やかな着こなしができます。

帯だけで十分華やかで、帯留が必須とは思わないですが、まあアトラクション追加、というところですね。

IMG_3897.jpg
写真4番目は、花也の箔と刺繍と友禅の名古屋帯を合わせてみました(刺繍はお太鼓のみ)。箔なのに光らず、友禅なのに鮮やかでなく、しかし周りを引き込む強い重力をもった作品です。このような様式は、本来は中井淳夫さんのイメージですよね。

渋い金彩の帯に渋い金彩の帯留の組み合わせですから、色数を増やすことはなく、頭が良さそうに見える組み合わせだと思います。植物は羊歯ですが、草むらに鶉がいるようにも見え、写生的な演出にもなっています。
スポンサーサイト
[ 2015/02/02 ] 小物と小物合わせ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/547-2a2c701e