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龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせ

第二千九百七十九回目は、龍村の袋帯「彩香間道」の帯合わせです。

今日は中井淳夫さんの訪問着に合わせてみました。

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いちばん上の写真は、中井さんの作品で、江戸時代の友禅の小袖の名品として名高い「束ね熨斗友禅小袖」に似た意匠の訪問着に合わせてみました。本歌は肩に束ねている紐が金糸の刺繍で表現されているので、「束ね熨斗」がテーマであるとわかりますが、この作品では束ねる紐が描かれていないため、テープ状の模様が弧を描くだけの抽象的な意匠になっています。

それでも人の体に巻き付ければ、見える意匠はほとんど同じになりますね。本歌の束ね熨斗小袖をそのまま写した振袖は大量につくられていますが、この作品は束ねを外すだけで古典柄から抽象柄に変容しているわけで、中井さんらしい仕掛けだと思います。

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写真2番目は、中井さんの型疋田を全身に使った訪問着を合わせてみました。巨大な雪輪の弧が重なるという意匠です。全身型疋田の着物というのは、反物に対し同じ疋田の型で、繰り返し型染をしていけばいいわけで、それほど高級品とも思いません。

しかしこの作品は途中に弧が何重にも入っていて、その前後のギリギリのところで疋田が綺麗に切れているので、綿密な計算がないとつくれません。しかも弧で区切られたパーツごとに色も微妙に違います。中井さんがつくると、ありがちなものと思っても凝っていますね。上の作品とこの作品は、間道の直線と着物の弧の対比、というテーマで帯合わせをしてみました。

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写真3番目は、中井さんの樹木の葉をテーマにした訪問着を合わせてみました。上から陽が注ぎ、それぞれの葉に陽光が当たって、上の方は明るく、下の方は暗く、光のグラデーションを構成しています。実物は写真よりずっと綺麗です。派手で綺麗なものは世間にたくさんありますが、地味で綺麗なものはあまりないんですよ。

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写真4番目は、中井さんの型疋田を全身に使った訪問着を合わせてみました。扇面地紙をテーマにした色留袖です。金とベージュの地紙と銀とグレーの地紙の2種類が描かれ、金の地紙には銀の霞、銀の地紙には金の霞がかかっています。

シンプルですが、これが正解!と思わせるような作品です。中井さんの死後、私が袖に霞を付けて訪問着に改造しています。加工したのは倉部さんですが、倉部さんと中井さんの金加工をしていた職人さんは同一なので、中井さんの生前であっても同じになったはずです。
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[ 2015/01/30 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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