龍村の袋帯「秋景」の帯合わせです

第二千九百六十一回目は、龍村の袋帯「秋景」の帯合わせです。

今日は付下げに合わせます。龍村の袋帯ですから、フォーマルに合わせたいですよね。しかし問題点は、帯が着物にありがちな秋草模様であるため、着物と重なってしまう確率が高いことです。このばあいの帯わせは3通りですね。まず、ひるまず同じ秋草の模様を重ねてしまうことです。色や雰囲気が違えば許容範囲に収まるかもしれません。2つ目は、幾何学模様など季節の関係のない模様の着物を合わせることです。

3つ目は、秋をテーマにしつつ全く違った意匠の着物を合わせることです。秋草という一般的なテーマではなく、限定されたテーマを選ぶと自ずと違った意匠になりますが、帯合わせとしてはいちばん高等技術になるでしょう。今日はそれを試してみます。

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いちばん上の写真は、野口の付下げを合わせてみました。制作したのは倉部さんです。源氏香を扇面に見立て手箔で表現し、秋草の刺繍を合わせたものです。帯は近景に秋草、中景に雁、遠景に月という広がりのある意匠です。それに対して着物は、扇面に見立てた源氏香という実質的な取り方という限定されたスペースに納められた意匠ですから対照的ですね。

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写真2番目は、花也の付下げ「菊の葉丸紋」を合わせてみました。これも上の帯合わせと同じ考え方で、広がりのある帯の意匠に対し、着物の意匠は取り方の中に押し込められています。

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写真3番目は、花也の付下げ「菱取柳菊模様」を合わせてみました。これも同じ発想ですね。扇面、丸紋、菱取りと試してきました。同じ秋をテーマにしつつ、普通の秋の景色を描いた風景画と、柿などの秋の果実を描いた静物画を並べる感じですね。

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写真4番目は、千切屋治兵衛の付下げ「薫炉」を合わせてみました。制作したのは倉部さんです。「薫炉」は秋草を入れて香を楽しむ器です。つまりテーマは同じ秋でも、帯は視覚なのに対し着物は嗅覚というわけです。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の付下げを合わせてみました。制作したのは中井淳夫さんです。落ち葉をテーマにした着物ですが、葉の形が帯のナナカマドに似ています。帯から落ちた葉が着物の上に舞ってくるという騙し絵にしてみました。
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[ 2015/01/12 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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