2017 07123456789101112131415161718192021222324252627282930312017 09

龍村の袋帯「秋景」の帯合わせ

第二千九百六十回目は、龍村の袋帯「秋景」の帯合わせです。

今回の帯は、龍村らしい格調の高さから訪問着にも使えますが、金銀糸がほとんど使われていないということで、紬にもあまり違和感なく使えるように思います。

摺箔を併用している友禅でも、金糸を織り込んだ西陣の織物でも、とにかく金を使ってある帯は、紬の着物のは使ってはいけないと信じている人がいますね。自分自身で硬く信じている人もいますし、自分は信じていないが仲間が信じているので、たとえ間違いでも指摘されると煩わしい、という人もいます。後者の気持ちはすごくわかりますね。

結論から言えば、紬に金はダメ、というのは間違いです。なぜかというと、摺箔でも金糸の織り込みでも、金を使う作者は自分の作品をフォーマルにしようと思って金を使っているのではないからです。そのポイントに金を使うと絵が良くなるという芸術的な理由からなのです。だから選ぶ方もまた、芸術的な理由で選ぶべきです。そのポイントに金が入っている方が画面が締まって良いのだけれど、着物が紬だから金が無い方にする、というのはあってはならないと思います。

しかしながら、今日は紬には金はダメ、という迷信を利用させていただきます。最初に紬に合わせるのは、紬は縞や格子が多く、もっとも凝ったものでも繰り返しの絣なので、絵画性が低くて合わせやすいからです。

IMG_3219.jpg
いちばん上の写真は、旧無形文化財の百亀甲の結城紬を合わせてみました。結城紬と龍村という、世間で言う高そうなものどうしで合わせてみました。

IMG_3217.jpg
写真2番目は、林宗平の塩沢紬を合わせてみました。日本の着物の伝統の基本の色は藍染ですから、紬に合わせる帯は、藍色に合わないと使い道がありません。というわけで、藍の紬と合わせてみました。

IMG_3214.jpg
写真3番目は、山下八百子の黄八丈を合わせてみました。着物と帯は同系色の濃淡になるように合わせてみました。

IMG_3226.jpg
写真4番目は、仲井間香代子のロートン織の着尺を合わせてみました。このような輝くような色のロートンを見ると、首里の織物というのは、地方の伝統的な紬ではなく、琉球王家の官服だというのがわかりますね。この辺の紅葉の名所は奥多摩湖なのですが、戦前からの水源林のため一度も伐採されておらず、日本本来の植生であるブナ林の深い森になっています。そこでは紅葉はしみじみするものではなく、この着物のように輝いているんですよ。

IMG_3211.jpg
写真5番目は、みさやま紬を合わせてみました。みさやま紬は松本市の近郊、三才山地区で横山俊一郎さんという作家が織っている紬です。手織りで草木染の作品で作家モノらしいおしゃれ感もあります。作家モノの織物を合わせてみる例ですが、いちばん合っているようにも見えますね。
スポンサーサイト
[ 2015/01/11 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/525-673e9cec