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千切屋治兵衛の名古屋帯の帯合わせ

第二千四百八十九回の作品は千切屋治兵衛の名古屋帯の帯合わせです。

昨日紹介した藤岡さんの名古屋帯の帯合わせです。でも帯合わせをする前に、書かなければいけないことがあります。ザクロと一緒に描かれている小さな実のある植物で、これは桑です。私自身、桑がよく分からなかったので、スルーしていました。

つまりこの実は、「赤とんぼ」で「山の畑で小籠に摘んだ」実なんですね。カイコの飼料として呉服業界にとっては大恩ある桑ですが、申し訳ないことに私は全く興味がなく、子供のころ近所にあったという記憶しかありません。

しかし、桑の木は、材木としては、江戸指物や茶室の炉縁としては高級材ですよね。畑で生産する場合には、効率よく作業できるように高さを揃えていますが、自然状態では高木なんでしょうね。しかし、カイコの餌として人類が選んで生産するぐらいですから、もともと蛾系の害虫が付きやすいんだろうなあ、なんて余計な心配ですね。

さて、帯合わせですが、染め帯としては、いちばん普通に使われている四季の植物をテーマにした作品なので、帯合わせは楽そうです。

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いちばん上の写真は、千切屋治兵衛の源氏香の小紋を合わせてみました。上品だが個性の少ない総柄の小紋は、当然のようにぴったり合います。帯が明暗のある絵画的な意匠であるのに対し、着物が平面的な模様なので、両者が競争することなく役割分担ができて合うのでしょう。着物が背景役を務めてくれているんですね。

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写真2番目は、千切屋治兵衛のリスの飛び柄の小紋を合わせてみました。植物とその木に居そうな小動物という、意味のつながる帯合わせです。季節も秋でちょうどいいですね。本来であれば、着物が植物で、帯が動物であるべきでしょう。しかし、リスが色を抑えて単色表現なので、両者が調和しています。これは偶然ではなく、小紋の作成者である大和さんが、帯合わせを考慮して色を抑えてつくったのだろうと思います。

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写真3番目は、わざと合わない組み合わせということで、野口の色のコントラストの強い大柄の着尺を合わせてみました。共通することと言えば、葡萄柄ということで、季節ぐらいでしょうか。藤岡さんの糊糸目の友禅は色も模様も繊細で上品なので、野口の大胆な着尺には負けてしまいますね。しかしながら、全く駄目という感じではないのは、帯の模様の回りの余白のおかげだと思います。

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写真4番目は、野口の市松模様の着尺を合わせてみました。着物の意匠が総柄で、平面的に連続しているという点では、いちばん上のパターンと同じですね。しかし、市松ということで粋な雰囲気もあり、雅な藤岡さんの友禅とは異質です。さらに、色も野口らしく上品ながら華やかです。つまりいちばん上と3番目の要素を混ぜた感じでしょうか。

でもまあ、帯合わせとしては許せますね、たぶん、ザクロの葉の青が、着物の色と上手く関係づけられているからでしょうね。緑であるべき葉を多色で描くというアイディアを考えた昔の人に感謝ですね。

さてここからは、fc2だけの特典です。

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写真5番目は、千切屋治兵衛の市松の小紋を合わせてみました。市松の中身はクローバーです。いちばん上の平面的な小紋と写真4番目の市松小紋の要素を合わせてみました。

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写真6番目は、更紗の小紋を合わせてみました。多めの型紙を使って模様に濃淡を表現した小紋で、更紗という意匠でありながら、明暗によって多少の写生性のある着物です。まあ、明暗による写生的な帯には、写生的でない着物が合いそうですが、このぐらいなら邪魔にならないでしょうか。
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[ 2013/09/25 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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