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千切屋治兵衛の訪問着(中井淳夫)の帯合わせ

第二千九百三十回目は、千切屋治兵衛の訪問着(中井淳夫)の帯合わせです。

今日はまず、模様自体には存在感があって、その模様の周りに余白がある帯を合わせてみます。着物も帯も存在感のあるどうしで、濃すぎる帯合わせになるはずですが、両方の模様を余白で引き離すことで、緩衝地帯をつくるという帯合わせです。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「陶楽騎馬文」を合わせてみました。ペルシアやシリアで出土するイスラム陶器に取材したものですね。無茶苦茶に濃い帯ですが、丸い皿がモチーフであるために周囲に黒い無地場があり、着物の模様との間の緩衝地帯になっています。

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写真2番目は、大西勇の袋帯「正倉院合子文」を合わせてみました。正倉院御物である「銀平脱の合子」に取材したもので、象とインコの模様が浮き上がった丸い碁石入を上から見たところです。象とインコという濃いモチーフながら、茶色の無地場があるので、着物の模様とは直接接していません。

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写真3番目は、大西勇の袋帯「有栖川龍文」を合わせてみました。名物裂の有栖川錦は有名ですが、「有栖川」の名があるので有栖川家に由来するのかと思えば、実際には前田家(前田育徳会)が所蔵しているなど、謎の多い裂です。龍というテーマ自体が濃いですが、周りに余白があるので、龍が深山幽谷の上を飛んでいるように見えて、私はこの組み合わせがいちばん好きです。

次に、龍村の袋帯を使った帯合わせをしてみます。読者の方からそういうリクエストがあったからです。

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写真4番目は、龍村の袋帯「西域舞踊錦」を合わせてみました。山と霞という湿潤な日本の風土を表す着物に、乾燥地帯の中央アジアの踊子さんが乱入してきた感じです。地方の小さな町にいきなり外人のパブができたと思えば、意外にありがちな風景かも。

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写真5番目は、龍村の袋帯「錦秀遺芳文」を合わせてみました。平家納経に取材した帯で、俵屋宗達が描いた反っくり返った鹿が面白いですが、「平家納経」とわからなくても、山に鹿がいるとも見えますね。

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写真6番目は、龍村の袋帯「海音光映錦」を合わせてみました。山に対して海という帯合わせです。霞も合わせれば、水の大きな循環でもありますね。
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[ 2014/12/11 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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