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千切屋治兵衛の訪問着(中井淳夫)の帯合わせ

第二千九百二十八回目は、千切屋治兵衛の訪問着(中井淳夫)の帯合わせです。

個性の強い、あるいは芸術性の高い着物に対する帯合わせという事例です。いちばん難しいものですね。着物の作者自体が帯合わせを考えて着物を創っていてくれればいいですが、他人の都合に配慮してつくるようなものに、芸術性の高いものがあるとは思えません。

伝統工芸展の出品作の友禅のように、絵羽として飾って世間の審判を受けようとする作品というのは、帯合わせを考慮しているとはとても思えません。監査委員も帯合わせまで考えて、入選作を決めているということはありえません。その点、中井さんは独りよがりの芸術家ではなく、女性が着るための着物をつくってきた人ですが、それでもこの着物は厳しいかもしれませんね。

本当に大事なのは、女性が着て美しく見える、ということですが、それ以前の問題として、今日は帯合わせがしやすい着物かどうか試してみます。帯合わせの方針としては、着物の作風が濃厚なのですから、縞や格子のさっぱりした帯を合わせるということと、着物を上回る濃厚な帯を合わせるということの2通りがあると思います。

さらに3通り目の方法として、模様が濃厚でありながら、その周囲に余白部分があって、着物の模様と帯の模様が直接接しない、という帯を合わせる方法があります。濃厚とさっぱりの両方の良いところを合わせているわけで、それがたぶん理想でしょうね。食べ物のコマーシャル風に言えば、「コクがあって爽やか」っていうことですね。

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いちばん上の写真は、龍村の袋帯「海老殻間道手」を合わせてみました。偶然ですが色目も合っています。「海老殻間道手」は万能と思っていますが、今回も証明されたようです。

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写真2番目は、河村織物の袋帯「栄昌綴」シリーズの七宝繋ぎと横段文様の組み合わせの帯を合わせてみました。上の写真のタテ縞に対し、これは横段です。

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写真3番目は北村武資の袋帯「七宝連珠文」を合わせてみました。細かい規則性のある模様で、着物の大きくて躍動的な意匠とは正反対です。また、色は辛子色系に統一されていて、遠目ではシンプルな無地と変わらないです。というわけで、さっぱりした帯を合わせる帯合わせの仲間に入れてみました。

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写真4番目は、しょうざんの徳田義三シリーズの袋帯「花兎文」を合わせてみました。色は金色のみなのでさっぱりした帯を合わせる帯合わせともいえます。また、大きな花兎文はインパクトが強いですが、その周囲の余白のために着物の個性
とは干渉しあわないので、濃厚とさっぱりが両立できているとも言えます。
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[ 2014/12/09 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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