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千切屋治兵衛の着尺の羽織またはコート合わせ

第二千四百八十六回目は千切屋治兵衛の着尺の羽織またはコート合わせです。

いつもなら、帯合わせを考えるところですが、今回は、先日の着尺を着物にせず、長羽織またはコートにしたと想定し、着物に合わせてみます。合わせる着物は、紬でも、小紋でも、訪問着でもよいのですが、今回は、野口の着尺と花也の付下げを使ってみます。

羽織またはコートというのは、少し昔は、羽尺地という8mの専用生地を使っていました。「着尺」という言葉は「羽尺」と対語的に使われていたのです。羽尺の多くは、大げさな地紋のある綸子地で、無地か暈しで染められ、地紋が浮かび上がって柄の役割を果たしていました。多色の柄でないのは、あらゆる着物に合うように、という配慮でした。

しかしながら、現在は羽尺という製品はほとんど滅びており、着尺地で代用するようになりました。それとともに、模様も多色多様になって、着物の脇役でなくコーディネートの主役になりました。羽織やコートは、着姿のいちばん外側にあって露出が多いのですから、合理的かもしれません。

ただ、業界的に言えば、おしゃれな羽織と西陣は、じつはライバル関係にあります。羽織は室内でも着られるので、せっかく高価な帯を買っても見えないことになってしまうのです。昭和40年頃のなつかしい紀行番組など見ると、和装をしている全員が羽織を着ています。その後、羽織が廃れるわけですが、それはちょうど西陣で高級な帯が売れるようになった時代であり、羽織が長羽織として復権してきた現代は、西陣がネットで安売りされ、廃業が相次ぐ時代です。

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いちばん上の写真は、先日の千切屋治兵衛の縞の着尺に対し、長羽織またはコートとして合わせてみました。普通なら、柄物の着物に縞の羽織かと思いますが、反対のパターンでも十分通用します。

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写真2番目は、野口の水色の更紗の着尺に対し、羽織またはコートとして合わせてみました。水色と明るいベージュのきれいな組み合わせです。雪輪ながら、春っぽい感じでしょうか

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写真3番目は、野口の地味なグレー地の茶や辻模様の着尺に対し、羽織またはコートとして合わせてみました。着物役の野口の着尺は、地味な地色に対し大きめな柄の組み合わせで、このようなパターンは、地味だか派手だかわからないので、年齢幅も広く使い勝手の良い着物です。

グレーとベージュという配色は、意外にきれいなものですね。柄の大きさについては、同じような大きさどうしではなく、大きいものと小さいものを合わせるのは基本ですね。

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写真4番目は、花也の付下げに対し、コートとして合わせてみました。付下げは、京都で舞妓さんが御座敷以外で着ていそうな黄緑(私の個人的なイメージです。)に小付けの柄です。モチーフは雪輪で、わざとコートのモチーフと重ねています。

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写真5番目は、野口のオレンジの横段(仕立てれば市松にも)の着尺に対し、羽織またはコートとして合わせてみました。着物役の野口の着尺は、野口の得意な大胆な模様配置です。むしろ羽織が抑え役に見えますね。

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写真6番目は、野口のグレーの横段(仕立てれば市松にも)の着尺に対し、羽織またはコートとして合わせてみました。上の着物役の野口の着尺は、オレンジという暖色で色分け部分は暈しですから、温かみのある雰囲気ですが、こちらはグレーという寒色で色分け部分はくっきりですから、きりっとしていますね。

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写真7番目は、野口の粋な格子の着尺に対し、羽織またはコートとして合わせてみました。本来、着物役の野口の着尺は、みんながコートとして流用しているものです。ここではあえて逆を試してみました。
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