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花也の付下げ「八重葎(やえむぐら)」の細部と比較

第二千八百七十五回目は、花也の付下げ「八重葎(やえむぐら)」の細部と比較です。

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いちばん上の写真は、花也の付下げ「八重葎」の近接です。今回の着物の地色は、皆様の液晶画面ではかなり青っぽく見えているかもしれません。実際には黒に近い色で微妙に青みがある程度です。

黒に近いすっきりした色に、斜線が連なる意匠ですから、女性的な色気や優しさよりも、宝塚の男役みたいな雰囲気を目指している方に向く感じですね。直線に見える線は、細部を見ると手描きの線の歪みがあります。微妙な途切れやかすれもありますし、さらに蔓の突起部分を見ると、線の端にわずかな膨らみがあって、糊筒がどちらの方向から動いたかわかります。

これが糊糸目の職人の手作業の温かみで、これが無いと安いプリントものに見えてしまいます。また、歪みがありすぎると、ただの下手な職人の作品か、素人がカルチャーセンターで描いた友禅のようになってしまいます。そこが兼ね合いですね。職人が最高に精緻な仕事をし、それでも人間の限界で微妙な歪みが出てしまう、という状況が工芸の理想ですね。

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写真2番目は、中井淳夫の付下げ「八重葎」の前姿(マエミ+オクミ)です。製作は千切屋治兵衛です。比較のために、中井さんの同じテーマの作品を掲載してみました。私はどちらも存在意義のある作品と思いますし、どちらが似合うかは人それぞれだと思いますが、やはり天才と秀才ぐらいの違いはありますね。お金を惜しまず優れた職人を集めれば花也の着物の真似はできる気がします。しかし中井の着物は、本人の死後はニセモノさえ作れませんね。

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写真3番目は、中井淳夫の付下げ「八重葎」の近接です。
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[ 2014/10/17 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

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