2017 07123456789101112131415161718192021222324252627282930312017 09

花也の付下げ「八重葎(やえむぐら)」

第二千八百七十四回目の作品は、花也の付下げ「八重葎(やえむぐら)」を紹介します。

八重葎は道端に生えている雑草のイメージです。蔓植物で、八枚ぐらいの葉が輪のように出ていて、「ひっつき虫」の性質があります。青梅は、遠足といえば山歩きばかりだったので、こっそり友達のセーターの背中に付けておく悪戯が懐かしいです。

フォーマルな着物の意匠になるからには、ただの雑草ではなく由緒あるものではないかと思ってしまいますね。古典文学に登場するものとしては、百人一首の恵慶法師の歌で、「八重葎(やへむぐら) しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり」があります。でも着物のテーマとしてはどうでしょうか。華やかな場で着るのも変ですね。

また源氏物語の「帚木」の「雨夜の品定め」に、「「さびしくあはれたらむ葎の門に、思ひのほかにらうたげならん人の閉ぢられたらんこそ限りなくめづらしくはおぼえめ」というのもあります。門に八重葎が絡みつくほどさびれた屋敷の中に・・・ということですが、門を着物と思えば、その着物の中の人こそ「らうたげならん人」ということでしょう。これで初めて、雑草と女性の着物の意匠がつながります。

しかしながら、古典文学の解説を読むと、古典文学に登場する葎または八重葎は、現代の八重葎ではなく雑草の総称であるとありますね。または金葎とも。金葎は、八重葎より硬くて留守の家の門に絡むなど人間の生活を妨害し荒廃の象徴だと思います。その辺はあえて無視して、あるいは意味のズレを利用してモチーフとしているのでしょうか。

IMG_1180.jpg
いちばん上の写真は前姿(マエミ+オクミ)です。蔓植物といえば曲線模様ですが、この作品では直線模様となっています。

IMG_1191.jpg
写真2番目は後姿です。

IMG_1186.jpg
写真3番目は袖です。

IMG_1188.jpg
写真4番目は胸です。模様は縫い目を越えて衿につながります。
スポンサーサイト
[ 2014/10/16 ] 友禅 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://shirokiyagofukuten.blog.fc2.com/tb.php/439-be37e8c9