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千切屋治兵衛「琳派楓」の着尺の帯わせ

第二千八百三十四回目は千切屋治兵衛「琳派楓」の着尺の帯わせです。

丸いふっくらした形の楓ですが、この形は琳派の意匠です。江戸時代の小袖の友禅模様にも登場しますね。琳派の絵として描かれた作品では、赤も黄色も緑もあって、装飾的な画面となっています。着物の模様にする場合には、赤・黄色・緑と3色入れれば紅葉が色づいていくまでの変化を表したものということで、秋の着物ということになります。

しかしこの着尺は意図的に、赤や黄色を外し青楓だけにしていますね。これは、地色との関係でたまたま緑がきれいだったからそうしたのでしょうか。それとも春物として着ろ、という作者からのメッセージでしょうか。今回は友禅の名古屋帯を使って帯合わせをしてみますが、帯のテーマを変えることで、春物、秋物両方に使えることを示したいと思います。

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いちばん上の写真は、花也の糊糸目の友禅の染め帯を合わせてみました。椿の葉を葉脈のみの線描きで表現しています。通常の友禅で描かれた花よりも、この線描き部分が難度が高いし、見どころですね。春の椿と合わせることで、この小紋は青楓で春物ということになりますね。

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写真2番目は、千切屋治兵衛の友禅の染め帯を合わせてみました。実際に制作したのは中井亮さんです。穂の付いた麦です。麦の収穫時期は麦秋といいますが初夏ですね。九州で5月、北海道で7月、大きな産地である丹波地方は6月というところでしょうか。単衣の時期にちょうど良いモチーフということになりますね。

この帯合わせでは、着物は単衣で仕立てて青楓と思って着ているという設定です。

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写真3番目は、千切屋治兵衛の絽の糊糸目友禅の染め帯と合わせてみました。実際に制作したのは藤岡さんです。

三日月に風鈴に芒です。芒の穂は銀描きされていて、月の光を反射しているようです。夏の終わりと秋の始まりの風情ですね。9月の第一週の、ちょうど今日あたりに着る着物として帯合わせを考えてみました。着物はもちろん単衣に仕立ててあるという設定で、6月に麦の穂と合わせて着た単衣をまた出して着たということです。

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写真4番目は橋村重彦さんの糊糸目の友禅の染め帯を合わせてみました。小袖の取材した意匠で、比較的オリジナルの模様を崩さずにミニチュア化しています。

私はこのような作品を見ると「小袖写し」と思いますが、世間の人は「菊だから秋の帯」と思うでしょう。この場合は、10月1月に袷に仕立てた秋の着物として着たという設定です。春に椿と合わせて着た着物をもう1度出して、楓だから秋、緑の葉だけなのは(デザイン上の都合、と言うつもりで着たという設定です。
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[ 2014/09/06 ] 帯合わせ | TB(0) | CM(0)

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