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喜多川俵二の名古屋帯「厳島華文」

第二千七百四十四回目の作品として喜多川俵二の名古屋帯「厳島華文」を紹介します。

「厳島華文」というタイトルから「平家納経」に取材したものと分ります。しかし西陣の帯には「平家納経」を連想させるネーミングが多くあるものの、その意匠は、鹿が反っくり返ったもの、花鳥、蝶、扇、十二単の女性像などさまざまで、どれが本当の平家納経のモチーフなのかわかりません。

それは平家納経が清盛直筆の願文も入れて33巻もあるからです。それぞれの表紙や見返しに絵画や装飾があり、さらに経箱や唐櫃も付属しています。そのどこかに取材すれば、いろんな種類の意匠が生まれるのです。さらに意匠家は、他社に真似されたらすぐに指摘できるように、模様をそのまま写さず、配置を変えたり複数の模様をコラージュするそうです。だからいろいろなバリエーションが生まれてくるわけですね。この意匠も平家納経のどこかにあるのでしょう。色や配置は喜多川俵二さんが変更しているかもしれません。

また今日の帯は、先日紹介した「小牡丹唐草」と違い、織物の基礎に貢献しない模様表現のためだけの緯糸が浮いている織物です。地の模様を表現糸とメインの模様を表現する糸が二重の組織になっている織物を二陪織物(ふたえおりもの)といいますが、喜多川俵二の作風には、「有職文」とネーミングされている糸の浮かないものと、「二陪織物」とネーミングされている糸の浮いているものとがあります。一般的には後者は「唐織」と認識されるでしょう。私自身は、糸が浮かない方が爪でひっかく怖れが無くていいなあと思いますが、まあそれぞれですね。

heike1.jpg
いちばん上の写真は帯の幅を写真の幅として撮ったものです。

Iheike3.jpg
写真2番目は近接です。

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写真3番目は拡大です。糸が浮いて模様を表現しています。
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[ 2014/06/09 ] 西陣・綴 | TB(0) | CM(0)

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